第百九話
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コット城で『殺す』訳にはいかない。
「ロンドンに戻るか…」
ロンドン トラファルガー広場
「おいオリムラ・イチカ。どうする気だ?」
ヴィーティングを抱えたオータムに問われた。
「どうって、処刑するのさ。この女が今まで行ってきた非人道的所業に対する報いを受けさせる」
「こ、ここでか?」
「人避けの結界はしてるし遮音フィールドも使うから誰にも気付かれないよ」
「貴方、まるで魔法使いね」
「まるで、じゃなくて正真正銘魔法使いさ。
イギリスの魔法使いとは少し扱う系統が違うけどね」
オータムからヴィーティングを受け取る。
首の後ろを掴んで噴水の水に頭を突っ込む。
すると十秒程で目が覚めたようだ。
「がばっ!?がぼぼぼっ!?」
引き上げると盛大にむせていた。
そのまま数メートル投げると、ズシャァッ! と地面を転がった。
「やぁおはようヴィーティング。
処刑の時間だ」
「PM-0001…!」
ヴィーティングは徹底して一夏を人とは見ていなかった。
徹底して……実験動物に向ける目をしていた。
「貴様の私兵は無力化させてもらったよ。
もう使い物にはならない」
「オリムラ・イチカ。言っても無駄よ。
その女にとって、部下は替えが効く駒だもの」
「そう。ならいいや」
「スコール!オータム!裏切るのか!」
「違うわ。私達は盛大に負かされて屈服させられたのよ」
「そうだな。それに、テメェみたいなクズと居るよりは、まだこの青臭ぇガキと居たいからな」
「組織が許すはずがない…!」
それに答えたのは一夏だった。
「組織ねぇ…ファントムタスクなんて大した事ないし?
もしあっちが二人を追って来てくれるなら好都合だ」
一夏は本当になんでもないかのように言った。
「さて、こうして話していても時間の無駄だ。
さっさと処刑するとしよう」
サハリエル、ソウル・クルシフィクス、インフィニティ・モーメントを発動させ、一夏がヴィーティングへ歩みよる。
恐怖と痛覚を増大され、体感時間を引き伸ばされたヴィーティングは目の前の男に恐怖した。
「来るな!私に近付くな実験動物風情が!」
ヴィーティングが腰の銃を抜いて一夏へ向けて発砲する。
だが拳銃程度で一夏を殺せはしない。
それを見せつけるためだけに、一夏はヴィーティングから銃を奪わなかった。
タァン!タァン! と放たれる銃弾を、一夏は悉く握る。
概念的に分解されたベクトルが空間に力を加え、一夏が掴む頃にはベクトルはほぼ無くなっていた。
「来るな化物ぉぉぉぉぉ!」
やが
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