第百九話
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しかし放たれた筈の銃弾は闇に当たらなかった。
【(その物騒なメイドさんを下がらせてくれないかい?>〉
闇の右方向。
そこにはライフルを持った少女がいた。
「チェルシー!」
「はいお嬢様!」
セシリアが拳銃を抜き、チェルシーと呼ばれた少女がライフルを向ける。
<{とんだお転婆だな)》
セシリアの放つ拳銃とチェルシーの放つライフル。
そのクロスファイアを物ともせず闇はそこに立ち続けた。
(「悪いが少し眠っていておくれ〕}
再び闇がその瞳を輝かせた。
「ぁ…」
セシリアが、踊り場で崩れ落ちた。
「お嬢様!」
≪<眠っただけだ。安心していいよメイドさん…君も夢の世界へ落ちるのだから」)
闇が、チェルシーへ顔を向けた。
爛々とかがやく黄金の光を見た瞬間、チェルシーは主と同じく崩れ落ちた。
それを一瞥した闇が城の奥へ奥へと進行する。
やがて、階段についた。
そこにはマシンガンをもった燕尾服の男と気の弱そうな男がいた。
(<ヴィーティングを引き渡さえすればエクシア・ブランケットを救おう。
どうだ?オルコット卿]」
「その申し出は嬉しいのですが、少しおそかったですね怪物さん。
いまはヴィーティング殿がエクシアの治療をしている最中なのですよ」
<≪では眠っていてくれ。これからようやくメインディッシュなんだ>」
燕尾服の男…当代執事長がマシンガンを向ける。
「私は先代の志を継ぐ者!
エクシアちゃんを死なす訳にはいかんのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!
連続する銃声とマズルフラッシュ。
だが、執事長は驚きに目を剥いた。
なぜなら、どれだけの弾を打ち込んでも、血が流れず、悲鳴を上げず、そこに立っていたからだ。
【≪素晴らしい忠誠心だ。だが無意味だ」]
闇がユラリユラリと執事長へ近付く。
闇はその手で、執事長の頬に触れた。
執事長は自分が凍ったと錯覚した。
【{オルコット卿。本当に済まない…
私の勝手な復習劇にあなた方を巻き込んでしまって…」>
「そうですな…ですが私が何かを言った所で貴方はヴィーティング殿を殺すのでしょう?」
{【はい。ですので、眠っていて頂きたい>」
黄金が、オルコット卿を貫いた。
糸が切れたように、オルコット卿は眠りについた。
そこで闇が晴れた。
「さぁ…ようやくだ!ようやくこの時が来た!」
side in
地下へ向かう階段を降りる。
すると地下通路に出た。
コンクリートで補強された壁にむき出しの電線が走っている。
コツコツと歩みを進め
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