第15話 修羅場なんてなかった…なかったんだよ
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――――やっぱり恐れていたことが起きてしまった。
目の前に映るは顔を布で隠して背中に5本の杖を持つ人物と、ヘッドホンを常に付けたオレの超サイヤ人とは違って地毛の金髪をしている男が睨み合っている。
気の所為ならいいのだが、ラクサスからはオーラ的な物がこの目で見えている。魔力じゃないよね?大丈夫だよね?
一応家の外にある庭に居るから大丈夫なのだが、ラクサスも最近は腕が上がっている。だから軽く魔力放出されちゃ庭が荒れてしまうのが目に見える。
嫌だ、ナツでもよく周囲のものを壊すことはあるけどこのラクサスに比べたら可愛いもんじゃねえか。
この家を建てるのに結構金がかかったからやめてほしいのだけど。
「――ミストガン、だったかぁ?オメエは確か他には姿を現せねえシャイなヤツと踏んでいたんだがよォ…なんでレッドの所に居ンだ?ア?」
「――そうだな、暫くしたら知ることになるだろうから先に教えておこう。私とレッドはパートナーだ。共に生活するのは不自然なことではないだろう」
「…パートナーだと?」
口から言葉が出るたびに空気が重くなっていく。そして、ミストガンの言葉の真意を確かめるためか、ラクサスから目線で「本当か?」と送られてきた。
長年一緒に居るからか、大抵の意思疎通は理解できる。アイコンタクトなんて朝飯前…だったらいいなぁ。オレはラクサスの疑問を晴らすために少し出た汗を拭いて肯定と首を頷く。
「…珍しいモンだな、お前がオレ以外のやつと組むなんてよ」
ラクサスの言うとおりだ。思えばオレはあまり他のやつとチームを組まなかった。あまり気にしなかったが…。
ギルドでは自然とチームを作り、クエストに行くことがある。
理由としては自分と合った人とクエストに行って成功率と生存率を高めるためだったりでもあるが、その人と組んでこれからも良い関係を築くという方法も出たりする。
オレは他の人とクエストに行くことはあるが、ラクサスみたいに組んだりはしなかった。
大体の理由はウォーロッドさんから「できる限り実践を積んで強くなる」という理由からソロで挑み、力を上げることが最善だと思っていたのももあったが、ラクサスと組むときは遠慮は要らず、特に敵対となる組織などを共に潰すことがあって自然とパートナーみたいなことになったりした。
けれど、ラクサスが他の皆とあまり関わらないと知ったオレはチームを解散してラクサスに他の皆と交流を深めようとよく色々なやつを誘って一緒に仕事にでかけたことがあった。
…まぁ、ラクサスも強いからすぐに終わることはあれど、討伐ではないクエストじゃ頭脳系の魔道士や勘のいいヤツと行くと意外と仲良くなることは出来たことが唯一の一歩
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