第六十五話
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来た春雨が大声を上げていた。
「春雨!君は医務室に行って準備!急げ!!」
拓海はその春雨にも指示を出す。どうやら、ただ事では無いらしい。
「っ、はいっ!!」
春雨は頷くと、来た道を引き返していった。
「千尋、この中だ!」
拓海はそう言いながら、男子トイレの中に入っていった。
俺がそれについていって中にはいると、一つの個室の扉が開いていた。
中を覗くと、その個室の床には、かっぽりと大穴が開いていた。
「……………………は?」
思わず間抜けな声を出してしまった。
俺の脳味噌は、目の前にある異常な状況を理解しようと必死に働いていた。
「速くこい!!千尋ぉ!!!ドラム缶の中にコンクリで固めて海に沈めるぞ!!!」
それを邪魔したのは拓海だった。どうやら、一刻を争うらしい。
…………あれ、前にも似たような脅し文句を食らった気がする。と言うか、言った気がする。
「お、おうっ!!」
俺はそれらの考えを頭から振り払い、その大穴の中に入っていった。
俺が着地すると、拓海はすぐさまスマホの懐中電灯の機能を使って、奥を照らしながら急ぐように歩いていた。天井が低いから、俺たちの背では少し屈まないと歩けなかった。
「…………なんだよここ…………。」
俺は完全に呆気に取られていたが、更に呆気に取られるものを目の当たりにした。
少し進んだところで、開けた場所に出た。拓海はそこで一点にライトを向けた。
そこには、一糸纏わぬ姿で鎖に繋がれた女の人が居た。
「!!!?」
今まで何度も驚くような事には対面してきたが、今回のはぶっちぎりの一位に輝いた。
女の人は、俺達が来たことに気付いたのか、こちらに顔を向けた。
「あら……………………雫?久しぶりね……………………なんでこんなところに居るのかしら?」
二位に輝いた。
正直、この辺りで俺の脳味噌は完全にフリーズしていた。最早、どれから片付けたら良いのやら。
「千尋!この鎖を切れ!!素手じゃ無理だ!軍刀使え!」
そんな俺を助けたのは、またも拓海だった。
「お、おう!!」
俺は帯刀していた刀を引き抜きながら振り上げ、手足の四ヶ所の鎖に降り下ろした。
キィン!キィン!キィン!キィン!!
甲高い金属音を上
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