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恋姫無双
戦国時代に転生するはずが春秋戦国時代だった件(始皇帝の誕生)
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姫様だ。
魏・斉を滅ぼし、ついに秦と並ぶ強国、楚と激突した。

初戦は20万で挑み敗退。俺も参加し局地的には勝利したが、全体では負けた。最も困難な殿軍を務めたことで、俺の株はまた上がったらしいけれど。
次は、なんと60万の軍で侵攻した。60万といえば秦の全戦力といってよい。
これだけの軍を一将軍に預ければ、謀反を疑われてもしかたない。けれども、老将軍、王翦は堂々と、金銭を要求してみせた。金銭に目がくらんでいるから謀反なんてしないよ、という彼女なりのメッセージである。

お姫様は、本当は俺に率いて欲しかったそうだが、断っている。王翦は、なんと統率10であり、年功で上なのだ。ここで俺がでしゃばっては軋轢が生まれる。そういったら、それでこそ余の心だ、と珍しく笑顔を浮かべて褒めてくれた。たまにデレるからドキっとするね。


◆月◎日
楚を滅ぼし、ついに中華を統一した。長い歴史上、初めての快挙である。
これで思うままに内政チートができる。内政11と10が火を噴くぜ!




 始皇帝、政は、目前の不思議な男、田忠を見て感慨に浸っていた。
 彼と出会ったのは、丁度秦の王に即位するために馬車で咸陽に向かっているときだった。
 道中、盗賊あるいは暗殺者に襲われ、絶体絶命のときに、さっそうと現れ一蹴した。


 三度笠に袈裟という珍妙な恰好で身の丈を超える錫杖を縦横無尽に振り回す様は、強烈な印象を政に与えた。


 政にも武芸に覚えがあるが、相手にならぬほど強い。同時に欲しいと思った。
 話してみると、年のころは自分と同じ程度。機知に富み政略の話にもついてきた。
 とても山に籠っていたとは思えぬ。
 父を亡くし見聞の旅で出てきたばかりだという田忠は、熱心に仕官を頼む政をみて、快諾した。
 
 
 それからはあっという間だった。
 見事な用兵を以て戦場で暴れ回るかと思いきや、一騎打ちで大将首をあげてくる。
 己の話題についてこられる数少ない臣として、政治、経済、軍略、策謀に至るまで、二人で夜遅くまで話し合ったものだ。
 度量衡や七曜、太陽暦の導入など、田忠の助言は大いに役立った。
 

 政は楽しかった。本当に楽しかった。
 そして、ついに秦は中華を統一した。自分の名声は不動のものとなったのだ。
 だが、己ももう40を超えた。もはや老境にさしかかっている。
 残念ながら、政の子供たちに己ほどの才はない。


 この国には、政が必要なのだ。永遠に国が発展し、国民が幸福に過ごすためには、自分が永遠を生きねばならぬ。


「なあ、田忠、いや心よ。そなたは、余と出会ったころから、姿かたちが変わらぬな。なのに不老長寿の秘密を、なぜ余に教えてくれぬのだ」


 始皇帝の瞳には、昏い感情が差し
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