猫娘と明かされる秘密編
NO.045 フォウ:オリジン
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ることにした。
時には他の猫とも自在に話せるように猫語を覚えた。
時には五感を妖気で強化してどんな事態にも対応できるようにする術を覚えた。
時には爪を伸ばす事をしてさらには妖気を纏わせて硬質化する事を覚えた。
時には逃げるスピードを上げるために足に妖気を纏わせて脚力を強化する術を覚えた。
時には体全体に妖気を纏って怪力の能力を覚えた。
時には妖気を喉に貯めて思いっきり叫ぶ事によって衝撃波を発生できる事を覚えた。
時には冬の寒さを凌ぐために妖気を使って炎を出せるようになる事を覚えた。
時には自身より大きいものと戦うために変化の力を覚えた。
……………気づけば猫は『生命力を奪う』能力以外にもたくさんの妖術を覚えて立派な怪異、猫又として成長していた。
猫の年齢はすでに百歳は越えていたために、人間の世界では都市伝説になるくらいには有名な猫として名を馳せていた。
時々、道に迷い込んだ人間を驚かしてはちびちびと生命力を奪う程度はもう猫の中では常識となってしまっていた。
それでも自分のせいでもう時間が経過して顔も思い出せない程になってしまった飼い主のように老衰で死なれては困るのでやり過ぎないように調整できる術を覚えていた。
猫はもう一人でも生きていけるので、短い寿命で先立たれるので猫の仲間も作らずに孤高に生きてきた。
そんな事を繰り返していったある時、世界は超常という現象に見舞われた。
次々と能力を開花させて『個性』を宿す人間たちを見ながらも、猫は思った。
『なんで人間達はこんな状況で手を取り合えずに争う事をしてしまっているのか……』
と。
そんな事を思っていた時に猫の身体にも変化はあった。
そう……妖気が使えなくなってしまったのだ。
なぜ? どうして?
猫の疑問は尽きなかった。
だが、同時に猫はまた悟った。
己の能力であった、
『生命力を奪う』
『それに伴う自動回復』
『猫の言葉を理解できる』
『五感強化』
『爪の伸縮自在』
『爪の硬質化』
『脚力強化』
『怪力』
『叫ぶ事による衝撃波』
『炎術』
『変化』
これらすべての『妖術』が『個性』へと置き換えられている事に気づいたのだ。
こうして猫は複数の個性を操る特異な体質へと変化したのであった。
だからといって猫は生き方を変えるつもりはなかったために、多少手強くなった個性を持つ人間にもめげずに立ち向かっていった。
当時の個性持ちはそれでも自在に操れるほどに熟練していなかったために能力を自在に操れる猫にとっては毛が生えた程度の認識であったのだ。
襲ってきた時にはまた返り討ちをする事を繰り返していたが、それはある時を境に終わる事になった……。
『ほう……動物なのに複数の個性を宿し
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