EATING28
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面目にチョーカーを選び始めた。
翼にとっては自分の愛しい者が身につける物だ。
なるべく着けていて違和感がない、または似合う物を選んでいた。
一方夜架にとっては、文字通りの『首輪』であり、翼への忠誠の証にするつもりである。
夜架は翼が首輪の意味を理解しているとは思っていない。
だが、周囲の人間はその首輪の意味に気付くという確信が夜架のなかにはある。
「なぁなぁ夜架」
「なんでしょうか?」
翼に見とれていた夜架だが、翼に呼び掛けられると直ぐに反応した。
「これとかどうだ?」
翼が持っていたのは赤い首輪の入った箱。
正面に鈴のついた首輪だ。
「この前猫の格好してたから選んでみた」
翼は満足気に夜架にパッケージを見せる。
「よるかー? 気に入らなかった?」
「いえ、とても嬉しいです」
夜架が微笑み、翼は僅かに顔を赤らめた。
「よかった。じゃ、買ってくるけど他に欲しい物ってあるか?」
「いえ、ございませんわ」
翼がトコトコとレジへ歩いていく。
夜架はその後ろを離れないようついて行った。
「店員さん。これちょうだい」
「あんらぁ!悪いコね!こんなお店にくるなんて!」
翼の頬がひきつった。
何故なら、店員がオネェだったからだ。
「アクセサリーを買うくらいいいじゃないか」
「アクセサリー?」
オネェ店員は翼が差し出している箱を見て、それから夜架へ目を向けた。
夜架は意味ありげな笑顔を返す。
「ま、いいわ。大事なお客様だもの」
オネェ店員がパッケージを受け取り、会計をする。
首輪はちょうど7000円だった。
パッケージを袋に入れようとしたオネェ店員が二人に聞いた。
「持って帰る?それとも着けていくのかしら?」
「着けていきますわ」
オネェ店員はパッケージから首輪とリードを取り出した。
「リードは直しておくわよ」
リードを箱に戻し、袋に入れる。
そして袋より先に首輪を翼へ渡した。
「主様。着けていただけますか?」
「うん。いいよ」
翼が首輪の留め具を外した。
「いくよ」
「はい」
翼が夜架に抱き付くように手を夜架の後ろへ回す。
片手には首輪が握られていた。
夜架の細い首に、赤い首輪を巻き付ける。
鈴が正面へ来るよう調整して、留め具をつける。
「夜架、これでいいか?」
「はい主様」
翼の身長は夜架より低い。
故に主を見下ろす事になっていた夜架だが、その内心は歓喜に染まっていた。
愛しい主から、忠誠の…隷属の証を与えられたのだ。
夜架にとってその首輪は、指輪の代わりとい
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