ペルソナ3
番外編075話 その頃のホワイトスター
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ほら、これでいいのかい?」
そう言ってフェイトがレモンに渡したのは、魔法球。
……ホワイトスターの魔法区画には魔法球が設置されているのだが、ちょっとした事情で魔法球が必要となった為に、レモンはフェイトに魔法球を購入してくるように頼んだのだ。
魔法球というのは、マジックアイテムの中ではかなり高価な代物だ。
それこそ、性能――中の広さや外と中の時間差等――によって、大きく変わる。
そんな中でフェイトが購入してきたのは、外の1時間が中の48時間という、シャドウミラーで使われている魔法球と全く同じ物……つまり、かなり高性能な物だ。
もっとも、広さは技術班の面々が入り浸っている物と比べると比較的狭いので、値段の方はそれに比例するように幾らか安かったのだが。
それでも普通に買うにはかなり厳しく、魔法界との貿易で得られた資金や、ネギま世界の火星で得られた利益をそれなりに消費する事になってしまったのは当然だろう。
「それにしても、良かったのかい? アクセルがいない状況でこんな風に勝手に魔法球を買ってしまったりして」
そう言いながらもフェイトはテーブルの上に置かれているコーヒーの香りを楽しむ。
ここは、ホワイトスターにある店の中でも、コーヒーが美味い店として有名な喫茶店だ。
いつもはアクセルに付き合って紅茶を飲んでいるレモンだが、基本的に紅茶派という訳でも、コーヒー派という訳でもなく、どちらも飲める。
だからこそ、ここでもフェイトと同じようなコーヒーを注文し、その味を楽しんでいた。
「いいのよ。アクセルがいつ戻ってくるのか分からないんだし。ニヴルヘイムの時だってそうだったし」
「ふーん。……でも、君は……いや、この場合は君達はという表現の方がいいのかな。アクセルが心配じゃないのかい?」
「心配だけど、心配をしてもしょうがないというのが正直なところね」
そう言ったレモンは、気怠げに桃色の髪を掻き上げる。
妖艶な女と10歳かそこらの子供。
レモンとフェイトは傍から見れば、どのような組み合わせなのか首を捻ってもおかしくなかったが、本人達は全く気にした様子もない。
レモンはイチゴのタルトを口に運び、それを味わってから再び口を開く。
「今まで、何度アクセルが唐突に他の世界に飛ばされたことがあったと思う? それでも、全く問題なく帰ってきてるでしょ。……きっと今頃、他の世界でも新しい女を手籠めにしている頃よ」
そう告げるレモンだったが、実際にゆかりと美鶴という2人の女をクリスマスイブとクリスマスにホテルで頂いてしまっている以上、アクセルもそれに反論は出来ないだろう。
もっとも、それでもアクセルを心配していない訳ではないのだが。
「それで、一応僕もシャドウミラーの一員なんだし、聞
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ