暁 〜小説投稿サイト〜
魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
ミライトーク『アルサスの平穏』
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く知恵も沸かず頭の回転も悪い私には理解できないことが重なり合った。

凱の奪還のために、世界を犠牲にしてしまったこと――故に凱は元凶と呼ばれる。
それら他の事が偶然にも重なり、今の時代に至ったというわけだ。

ブリューヌとジスタートが共通する天上の神々は、命の循環設備そのものだった。

ヴォジャノーイをはじめとした魔物からは『銃』と呼ばれたりしたらしい。
なにより、凱にとってつらかったのは――――『元凶なりし者』と吐き捨てられたことだ。
あの場に凱がいなかったのは、何よりの幸いだった。
同時にティグルもつらかった。それと同じくらい、死ぬほどおのれの呑気さを恨んだ。

ガヌロンがティッタに連れ去られた。
そして、ガヌロンはティッタの中にある『人』と『魔』のティル=ナ=ファを喰らい、『ガオファイガー』と呼ばれる鋼の巨人を操り、私たち『魔弾の王と戦姫』を存分に苦しめた。
そんな絶望の中で奇跡は起きた。いや――違う。ティグルの意地とティッタの想いが奇跡を起こしたのだ。

『力』のティル=ナ=ファとの同調進化(イレインバーセット)を果たした、ティッタの復活。
勇者(ティッタ)(ティグル)の絆の意味。
それこそ、この時代の『勇者王誕生』だったのだ。



ブレイブトーク『平穏のアルサス』

凱・エレン・リム・フィーネ・ミラのトーク。









凱「やっぱりアルサスにくると落ち着くなぁ」
フィーネ「本当だ。いい意味で何もないからな」
リム「農業は結構さかんですが、テリトアールほどでもありませんし、第一次産業もザクスタンほど発達していませんしね」
凱「ま、療養や余生を過ごしたいんだったら、ここが一番かな」
エレン「のどかな村だからな。寒冷のジスタートとは違い、アルサスの『キオン』は殆ど安定している」

ヴィッサリオンから教えてもらった気象予報技術「気温」。
年間を通してのジスタートでは気温が低く、作物の芽が咲くのも他の地域と違って一足遅い。
もっとも寒い表現ができるならば、そう――風が吹けば、冷たいナイフで肌を切り刻まれる感覚。
風がジスタートに死を運んできた。
その点、アルサスに運ばれる風は心地よい。
風に吹かれて銀の髪が揺れる。
エレンはミラに問いを放った。

エレン「なあ、リュドミラはどう思う?」
ミラ「そうね、ここで暮らしてみたい―――とは思ったわ」
エレン「ほぉ――――」
ミラ「……何よ?」
エレン「いや、意外な返事だったから」
ミラ「ティグルの家に泊まらせてもらったとき、庶民とはこういう暮らしをしていたのかと、心を躍らせたのよ」
フィーネ「今の二人は暮らしがいいからな」

貧村の生まれであるフィーネからすれば、現役の戦姫の印象がそのように映
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