黒魔術-Dark Majic- Part1/舞踏会とミスコン
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お互い様よ。あなたも素敵な夢を見れるといいわね。
けど、あなた結局名前は教えてくれないの?あたしこの前教えてあげたのに」
「…秘密」
「じゃ、勝手にこう呼ぶわ。おやすみなさい、夜の妖精さん」
「…ええ、お休み。よい夢を」
亜人の少女は、キュルケが去ってからも、バルコニーからじっと眺め続けていた。
シュウが寝ている借り部屋の窓を。
再び夜は更け、世界は変わる。
先日の戦いは手を焼かされはしたが、ネクサス=シュウとの共闘姿勢もあって怪獣を打倒し、街に平和を取り戻したサイト。アンリエッタや、一緒に戦ってくれているタバサとクリスからもねぎらいと感謝の言葉を送られ、戦いの疲れに一抹の癒しを得る。が、それで全ての疲労が回復するとまではいえなかった。『父』からも聞かされていた通り、ウルトラマンの姿を維持するには膨大な体力やエネルギーを使う。余裕勝ちをしたとしても、変身を説くと同時に一気に疲労が来る。だから、できれば怪獣を倒した次の日は公欠を取りたい。…が、残念ながらウルトラマンとしての正体を隠したうえでいつも通りの学生生活を送っている身だ。どこぞのハイエナジャーナリストみたく鋭い者から勘づかれやすく、しかもサイト自身、あまり学校の成績がよくなく、いくらウルトラマンだからといって学業をおろそかにしても良いという特別待遇は許されなかったのである。
また、アンリエッタをトップに添えて結成された『ナイトレイダー』によって、ウルトラマンや怪獣たちについての情報は一切世間に公表されていない。人間の恐怖を餌とするビーストの増殖を抑制するためにあらゆる方面から情報操作し、それらの存在をなかったものとしている。
それも一因となって、ウルトラマンとして戦ったから次の日にお休みをいただくという特別待遇はできない。
(ウルトラマンやりながら学校ってのも、ほんと大変だな…それに)
また、サイトは学校生活内でも、ただいま難しい悩みに直面していた。
またしてもルイズとキュルケの二人である。以前ほど大きな喧嘩こそ起こさなくなりはしたのだが、目を合わせる度に険悪な雰囲気を振り撒き、教室の空気を悪くしていた。
「………」
「……」
ギーシュら三バカのお陰で、二人の仲をどうにかするための解決策は見いだせている。以前この学校で行われたミスコンテストを復活させ、正々堂々と対決させるというものだ。
風紀を重視する西条先生らの反対も予想されたが、彼女らもルイズとキュルケの喧嘩に終止符が打たれるならと、今度の学園祭でミスコンを開催することに賛同してくれた。
二人を呼び出し、この事を話すと、二人は予想以上に闘志を燃え上がらせた。
こいつだけには負けられない!その視線で授業中も睨み合っている。
「…あー、ふたりとも、今は僕の授業に集中してくれないかな?
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