黒魔術-Dark Majic- Part1/舞踏会とミスコン
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ウの留まっている学院の一室をバルコニーから眺めた。
「その点で言えば、サイトもすごく似ていたわ。でも二人のうち彼が……シュウの方が似ていた。一目惚れっていうのかしら、彼が欲しくてたまらないの」
どこまでも、まっすぐで曇りのない視線だ。先ほど殺気を突きつけられたこともあってどことなく危険性を感じさせる。
だが、それ故に、キュルケは彼女を無視できなくなっていた。
「あたし、あなたに興味がわいて来たわ」
亜人の少女は目を見開いた。
「…そんなこと言われたの、彼以外であなたが初めて」
「あら、迷惑かしら?」
「そ、そんなことないわ」
少し照れたような反応に、キュルケはかわいいと思った。初心な感じが、まるで小動物を愛でている時のようなものを感じる。
「ねぇ、見ているだけでいいの?なんなら、彼に会わせましょうか?」
いくら自分が好みにそぐわない女でも、だからといって顔を会わせるたびに露骨な拒否反応を示されるほど嫌われているわけではないし、シュウは会ってくれるだろう。
だが彼女は首を横に振った。
「…もう少し時間がほしいの。今はまだ足りない、あの5日くらい…それだけあれば…」
心の準備が必要ということだろうか。だがキュルケには、恋焦がれている相手を思ってじっと待つのは少々じれったいものだ。ただ、この亜人の少女は初心な方らしいから、時間がいるのだろう。
「でも、ぐずぐずしている間に、あの二人がくっつくかもしれないわよ?少し前に、ちょっと仲直りできたみたいだし」
あの二人、そのうちの一人がシュウなのは確実。もう一人は…あの女だ。それはこの青い髪の亜人の少女も理解していた。
「…構わないわ。何があっても、彼は…シュウはあたしがものにするんだから」
知ったうえで彼女は、断言した。
「大した自信ね。あたしでもあの堅物の人を落とせてないのに」
「…もしあなたが彼に興味を持ったら、殺すしかなくなってくる。だから近づかないように伝えるわ」
亜人の少女は鋭い目つきでキュルケを見ている。万が一キュルケが再び週に、またはその逆パターンがもし起こりえたら、と思うと少女は気が気でないのだろう。
「それは残念ね。あたしは微熱のキュルケ、他人に脅されて言いなりになる女じゃないの。それに、一番それを言うべきはあたしじゃないでしょ?」
「…」
まだ彼女は警戒を解いてこなかった。目つきを剣のように鋭くさせ続けている。これ以上機嫌を損ねると本気で殺しにかかってくるのではないだろうかと思える。
「はーいはいはい。そんなに怖い目をしなくてもいいじゃない。じゃああたし、ここで帰るわね。次もここに来るわ」
「明日もここに来るつもり?」
背を向けてきたとはいえ、脅したはずだというのに怖気づくことのなかったキュルケに、亜人の少女は意外そうな眼差しを向けた。
「それは
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