黒魔術-Dark Majic- Part1/舞踏会とミスコン
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なる作業だ。
「魔法で浮かせられるだろう?その分だけあんたらメイジは力仕事の手間がないんだ。文句言うなら手伝わなくてもいいんだぞ」
厳しい言葉を言い、シュウは片付けに入ろうとしたとき、サイトが入り口の方からシュウたちのもとへ降りてきた。
「おーい!シュウ、みんな!」
「平賀か。ちょうどよかった。少しここを片付けるのを…」
「それなんだけどさ、その前にちょっとやばいことがあったんだ。来てくれよ。クリスがさ…」
「おぉ、二人ともようやく来てくれたか。…おや、ティファニアはいないのかい?」
空いた教室にて、待ち望んでいたようにギーシュがサイトとシュウの二人を見て言った。
この場にコルベールはいない。教師なので生徒が自主的に行っている活動に参加できないため、地下室で引き続きリシュを封じていた箱を探している。
「あいつなら、リシュが部屋に戻りたいとぐずりだしたから、面倒見させるために先に帰した。
それより、なにがあった?オクセンシェルナが落ち込んでいる…と平賀から聞いているが」
「それについてなんだが、例の舞踏会の件…どうも説得に失敗してしまったんだ」
「説得に失敗した?」
「それでクリスが落ち込んでしまっている。僕の囁きでもクリスの宝石のような瞳に立ち込める暗雲を払えないんだよ」
お前の歯の浮く台詞に乗っかるほど軽くないってことだろ、とサイトは心の中で突っ込む。前にクリスから露骨に拒否られたというのに懲りないものだ。
クリスが見るからに落ち込んだ様子で言った。
「確かに平民に向けた舞踏会なんて、反対意見は多く出ることは覚悟していた。だが、我々以外に賛同者がいない…というのは、さすがに堪えたな。開催理由に理解を示す者はいたが、平民を招待するとなると貴族の面子が立たない…反対理由の多くがそれだ。
異国の者、新参者には貴族の矜持がないのか、とも言われたよ」
「酷い…」
ハルナが、反対意見者の彼女への反対の言葉を知って心を痛める。
「やっぱり、こうなっちゃったのね…クリスには悪いけど、こうなるかもって思ってたわ。この国の貴族の考えていることはわかる方だから…」
一方で、ルイズも同じように考えつつも、このような事態になることはあらかじめ予測していた。公爵家の三女という立場を抜きにしても、これまでリッシュモンやモット伯爵、そしてワルドの例もある。嫌でもこの国の貴族の悪い部分も知っている。ルイズの言い分に、同じトリステイン貴族であるギーシュとモンモランシーを苦い顔を浮かべている。
「こうなったら私たちだけでも行って見せましょう!そうしないと、この舞踏会は開けないわ」
「ルイズ…そうしたくなる気持ちはわかるが、それではだめだ」
クリスは、ルイズの意見に対して首を横に振った。
「な、なんでよ?」
「サイトが言っただろう?
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