黒魔術-Dark Majic- Part1/舞踏会とミスコン
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これまで度重なる怪獣と宇宙人、そして闇の巨人の被害が強かったトリステイン。特に影響が強かったのは首都トリスタニア、そしてトリステイン魔法学院。特に学院の方はかなり重大な問題を抱えることとなった。
それは、また怪獣たちに襲われるのを恐れた、一部の学院の生徒たちが学院に戻ってこなくなり、ひたすら実家の方に引きこもってしまうという問題だった。その影響で現在の魔法学院に通う生徒たち、および勤務している教師や平民たちが不足しつつあった。ルイズたちのクラスもガランとし始めていた。
この問題に大いに悩んでいたのは、オスマン学院長、そしてジャン・コルベールの二人をはじめとした、今もこの学院に残って勤務している教師たちだった。
生徒たちの半数以上、そして怪獣の脅威に恐れをなした教師、学院勤務の平民たちが学院にまだ戻ってきていない。
元々学院にまだ馴染め切れていないクリスのためにと提案されたサイトたちによる学校行事は、加えてこの魔法学院に多くの人たちを呼び戻すための行事へと昇華する。
この提案を流石に自分たちの独断で行うわけに行かず、何を行うか決めたその次の日、サイトたちはオスマンのいる学院長室へ向かう、彼に直接直談判することにした。
「平民に向けた舞踏会…思い切ったことを思いつくのう」
「ええ、提案されたこと自体、前代未聞ですね」
学院長室でサイトとルイズから話を聞いたオスマンとコルベールは戸惑いを見せていた。長らくこの学院にいた二人にとっても、
「なんとか、できませんか?これがうまくいけば、貴族と平民という異なる身分同士の連携が強まり、この学院にも生徒をはじめとした多くの人たちが戻ってくると思うんです」
「ふむ…平民の立場を知り、それを自らの生活に生かそうとする試み、大変立派じゃとは思う。
じゃが、これはあくまでわし個人の意見。学院の総意ではない。ここは魔法をはじめとして、貴族に必要なさまざまな教育を行う施設。それが平民をもてなす行事を行うとしたら、ほかの貴族たちから非難を浴びることは間違いないじゃろう…」
オスマンとしては悪くないと思えるものだが、貴族の子息の教育者を束ねる立場としては、決定権行使なんてできないのだ。
「それじゃ…やはり許可をおろせない、ということですか?」
貴族というものは平民の上に立たないと気が済まない。特にトリステインのように古き伝統を重んじるが故の国では、学院が立ち行かなくなる可能性が高いのだろう。
だがその古い差別意識の根付いた状況が続けば、平民と貴族の間に溝が治らず、また怪獣や宇宙人の襲撃の際やその後で力を合わせることができないままだ。
「あわてなさんなサイト君。主催が学院ではなく、生徒が自主的に運営するものとすれば、こちらとしても譲歩できる」
「じ、じゃあそれでお願いします!行うことができる、というのならそれ
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