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とある3年4組の卑怯者
147 意地
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チフットスピンを後半に決めたのだった。
(美葡ちゃんの構成もなかなか凄いなあ・・・)
 藤木は美葡の演技も素晴らしいと思っていた。そしてその後も次々の出場者が現れた。そして最後は北海道の金賞者が演技を終えた所で全てのリハーサルが終了した。ただそのは特にこれといった凄い所がなく、誰が見ても地味だった。
「あの人、あれで北海道大会で金賞なの?」
「何か見るべき所がなかったわね」
 美匍と黄花は肩透かしだと感じた。その時、進藤が話しかける。
「ふん、北海道のモンは調子に乗ってるとよ!あんなんで勝とうだなんて絶対に人馬鹿にしてると!!」
「うん、確かにね・・・」
「でも、何かありそうな気がするワ・・・」
「え?」
「もしかしたら、本番で本気を見せてそれまで隠してるのかも・・・」
「そうか・・・」
「でも私は絶対に誰にも負けんとよ!いつも本気でいくと!」 
 進藤は去った。
「そうゐゑばあの進藤さんってさあ・・・」
「・・・え?」
「ジャンプは大体ルッツとかアクセルとか点が高ゐものばかりを使ってゐたわよね」
「そういえばそうね。確かに他の誰よりも負けたくないから高得点を取りたい気持ちは分かるけど、難しいものばかりで失敗の恐れも高くなってしまうかもしれないもんね」
「うん・・・」
 美葡と黄花は気の強くて強敵だ感じながらも進藤を不安視した。

 リハーサル後、出場者は会議室に集合することになっていた。藤木もそこに向かっていた。その途中、瓜原と合流した。
「女子も凄かったな、藤木君」
「うん、特に黄花さんって人とか美葡ちゃんに頑張って欲しいな」
 その時、後ろから大串が話に割り込んできた。
「ほう〜、お前が好きなのはもしかして・・・!?」
「な、何だよ、しつこいぞ!行こう、瓜原君!!」
「お、おお・・・」
 藤木は早歩きで大串から離れようとした。瓜原も藤木を追いかけた。
(全く、何だよ、あいつ・・・)
 会議室に入ると、美葡と黄花の姿が見えた。
「やあ、美葡ちゃん、黄花さん」
「あ、藤木君、瓜原君、お疲れ様」
「君達の演技も凄く良かったよ」
「ありがとう。でも私、あのトウループのジャンプ失敗しちゃって・・・。本番は絶対成功して見せるわ!」
「うん、君なら絶対できるよ!!」
「藤木君、私の応援は?」
「もちろん、美葡ちゃんの応援だってするよ!」
「藤木君、顔赤くなっとるで!」
 四人は笑いあった。
「そういえば君は・・・?」
 黄花が瓜原の顔を見て気になった。
「わいは大阪の瓜原かけるや」
「そっか。私は黄花蜜代。君のジャンプも凄くかっこよかったよ」
「え?お、おおきに・・・」
「君も頑張ってね!!」
「おお!!」
「そうだ、皆、大会後の交友会に参加するの?」
 美葡が聞いた。

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