第三十六話
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第三十六話 演奏をして
華奈子達七人は久し振りにクラウンとして揃って演奏の練習をしてみた、そうして一時間半程練習をしてだった。
華奈子は神妙な顔になってこう言った。
「何かね」
「何かって?」
「いや、久し振りにしたせいか」
自分の隣にいる美奈子に話した。
「指も喉もね」
「動かなかったのね」
「前と比べてね」
「私は別に」
「美奈子はいつもフルート吹いてるから」
バンド以外でもというのだ。
「だからよ」
「そんなになの」
「ええ、動かないとかなかったのよ」
「そうなのね」
「バンドじゃなくてもね」
それでもというのだ。
「やっぱり普段から演奏してるとね」
「出来るのね」
「そうよ」
「そうなのね」
「ええ、あたしなんてね」
華奈子は美奈子にさらに話した。
「本当にここんとこサックスに触ってもいなくて」
「昨日随分と熱心にお掃除してたわね」
「だって埃付いてたから」
それでというのだ。
「もう隅から隅までね」
「分解して」
「それで奇麗にしてたの」
そうだったというのだ。
「拭いてね」
「そうなのね」
「ええ、つまり楽器に埃が付く位放っておいたから」
「その分なのね」
「下手になってたのよ」
華奈子はあえてこう言った。
「そうだったのよ、だからね」
「これからは」
「ええ、もっと練習して」
そうしてというのだ。
「勘を取り戻すわ」
「音楽の方もそうしていくのね」
「ええ、天本博士も最近大人しいしね」
その分だけ暇もあるからだというのだ。
「頑張るわ、こっちも」
「じゃあ私達もね」
美奈子も他の面々も華奈子に笑顔で続いた、そうして七人はクラウンとしての活動も再開させたのだった。この日の練習から。
第三十六話 完
2018・3・25
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