第四十六話 月に一番近い場所
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の役目……と言っていたのは、マクシミリアンさまですわ」
「そうだったかな」
「そうですよ」
「あはは」
「うふふ」
二人は、天蓋付きキングサイズのベッドに横になった。
「あ〜……いい気持ちだ」
仕事帰りに馬車に揺られ、ようやく一息つけたマクシミリアンだったが、カトレアは、くつろぐ夫の姿に可笑しそうに手を口に当てて笑った。
「うふふ……まるで、お年寄りみたい」
「おいおい、そりゃないよ」
マクシミリアンは、口を膨らませた。
「パーティーまで、時間もありますし、少しお眠りになられますか?」
「ん……そうだな、そうしようかな」
「添い寝してあげますね」
「お願いしようかな」
「マクシミリアンさま、おやすみなさい」
「ああ、お休みカトレア」
こうして、マクシミリアンはカトレアに添い寝される事になった。
……
一休みした二人はパーティーに予定通り参加し、程なくパーティーは終了した。
ロンディニウムのパーティーで、カトレアと友達になったマチルダも参加して盛大に執り行われた。
このパーティーでは、モード大公が気を利かせたのか、反トリステイン色の強い貴族は参加せずマクシミリアンは親トリステイン派の貴族と親睦を深める事が出来た。
時刻は、もう深夜だがマクシミリアンたちは、昼寝をした為それほど眠くない。日中、塔に登る約束をしていたし、なにより双月が綺麗だった。
マクシミリアンが昇ったのは、中央の塔で、アルビオンワインの瓶とグラスを二つ持ち、深夜の探検と洒落込もうも思った。
「こういう、深夜の探検も面白そうですね」
カトレアは、わくわくしながら、マクシミリアンの後に続いた。
塔の入り口には誰のいなかった。無用心に思いつつマクシミリアンが中に入ると、中は何も無く石造りの壁に沿って螺旋状の階段があるだけだった。
「中は、ガランドウだ」
「誰もいないなんて無用心ですね」
「歓迎パーティーで衛兵達にも、何かご馳走が振舞われていた様だったし……誰にも邪魔されずに、二人っきりなれるから別に良いだろ?」
「もう、マクシミリアンさまったら」
カトレアも満更でもなさそうだった。
「ちょっと暗いな、『ライト』」
塔内部は、申し訳程度の魔法のランプしか明かり無く、マクシミリアンはライトの魔法を唱え、螺旋状の階段の上っていった。
階段を上り続けること十数分、二人はようやく最上階にたどり着いた。
「ふう、ふう……運動不足かな」
マクシミリアンは息切れしながら、ようやく上りきった。
最上階はちょっとした展望室の様になっていて、空一杯に双月と無数の星々がまるで二
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