第四十六話 月に一番近い場所
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ンビだ。
髪の短いフランカの言うとおり、カトレアは観光を楽しみながらも、心の奥底は沈んでいた。
愛するマクシミリアンが、側に居ない事も原因の一つだが、先日のやり取りでマクシミリアンがアルビオンの内情に冷淡だったことにショックを受けたのだった。
自分を救ってくれたマクシミリアンが、きっとハルケギニア全体をも救うと思っていたが、彼の優しさは、トリステインにのみ注がれる事を知り、それがとても悲しかった。内政干渉の問題で、トリステインは何も出来ないのは、カトレアも分かっていた。ならば、内政干渉せずに救う方法は無いか、カトレアは頭を捻らせていた。
「いい雰囲気のカッフェね」
「休んでいかれますか?」
「そうさせてもらいますわ」
途中、良い雰囲気のカッフェを見つけ二人は、アルビオン自慢の紅茶を楽しんだ。
これが気晴らしになったのか、マクシミリアンと合流する頃には、カトレアの沈んだ心も表面上だが元に戻っていた。
☆ ☆ ☆
シティ・オブ・サウスゴータでの観光を終えたマクシミリアン一行は、最後の宿泊地であるモード大公の城に到着した。
モード大公の城で、まず目に付くのは、西、中央、東の3方向に聳え立つ3本の高い塔で、城下ではこの城の事を『塔の城』をいう異名で呼ばれていた。
「高い塔ですね」
「そうだな、何メイルぐらいあるかな〜?」
馬車は城門をくぐり、場内へと入っていった。
「良く来てくれたマクシミリアン殿」
「お初にお目にかかります叔父上。妻のカトレア共々、お世話になります」
「お世話になります」
モード大公自ら、マクシミリアンらを出迎えた。
「一晩だけだが、自分の城を思ってゆっくりして欲しい」
「ありがとうございます。早速ですが、あの塔に登ってみたいのですが」
「んむう……そうだな。三つある塔の内、東側の塔には登らないと約束するなら許可しましょう」
「? ……分かりました。その様にします」
「それでは、部屋に案内させしょう。連日のパーティーで疲れているでしょうが、我が城においても歓迎パーティーを執り行う事になっています」
マクシミリアンとカトレアは、城のメイドに案内され、宛がわれた部屋に入った。
何故、東側の塔は立ち入りを禁じられているのか気になったが、この城のルールだと判断し、特に気にも留めなかった。
連日のパーティーで疲れた二人は、メイドたちに『パーティーが始まるまでまで休む』と言い残し部屋の中へと消えた。
「こう毎日、歓迎パーティーばかりだと、心休まる時が無いよ」
「これも王族
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