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オズのトロット
第九幕その一
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               第九幕  ノーランドの海岸で
 メリーランドを後にした一行はさらに先に進んでいきます、今度の目的地はノーランドなのですが。
 そのノーランドについてです、カルロスはトロットに尋ねました。
「ノーランドはバド王とフラフ王女が治めていますよね」
「そうよ、バド王が弟さんでね」
「フラフ王女がお姉さんですね」
「そうなってるのよ」
「そうですね、そういえば」
 カルロスはここでこんなことを言いました、ノーランドに向かって続いているメリーランドの中の黄色い煉瓦の道を進みながら。
「オズの女の子で女王になってる人は少ないですね」
「イッソスの女王様は実は、だしね」
 ジョージが最後の目的地の人のお話をしました。
「実はかなりのご高齢だし」
「だから女の子かっていうとね」
 神宝もあの女王様についてお話をします。
「違うね」
「トロットさんやドロシーさんみたいな年齢だと王女様なのよね」
 ナターシャはそのトロットを見ています。
「アン王女だってそうだったし」
「オズマ姫もね」 
 恵梨香は他ならないオズの国の国家元首の名前を出しました。
「国家元首だけれど王女様なのよね」
「お姫様なのよ、皆」
 そのお姫様の一人であるトロットの言葉です。
「皆お姫様には憧れるでしょ」
「女の子ならですね」
「だから皆国家元首になってもね」
「お姫様なんですね」
「そう、王女になるのよ」
「だからフラフ王女もですか」
「お姉さんだけれどね」
 だから女王になろうと思えばなれたのです。
「それでもね」
「女王様にはならずに」
「王女様になったのよ」
 そちらにというのです。
「そうなったのよ」
「それで国家元首にもですか」
「そちらは弟さんがなることになったから」
 そのバド王がです。
「だからお姉さんでもね」
「王女様で」
「国家元首でもないのよ」
「そうしたお国なんですね」
「それで今はね」
「弟さんが国家元首で」
「二人で治めているのよ」
 姉弟でというのです。
「そうなっているのよ」
「そうしたお国ですね」
「そうなの、ただね」
「ただ?」
「考えてみたら姉弟で治めている国はオズの国では珍しいかしら」
「そうだね、その組み合わせではね」
 キャプテンも言ってきました。
「オズの国ではないね」
「そうよね、やっぱり」
「お兄さんがいる場合もね」
「そうしたお国はあったかしら」
「どうだったかな」
「男兄弟がいるお姫様がね」
「いないね」
 オズの国にはというのです。
「そもそも」
「少ないわね」
「トロット達も一人っ子だし」
 このことはドロシーもベッツイも同じです、もっと言えばオズマにしても一人っ子です。
「だからね」

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