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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第百八話
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、ライバル社の雇った暗殺者に親を殺された…
親を失う悲しみを、家族を引き裂かれる苦しみも痛みも知っている。
オータムとヴィーティングは、相容れないでしょうね…
オータムには未だに『良識』が残っている。
だから、あのときヴィーティングのラボではオリムラ・イチカへ食事を持っていくとき、研究員から渡された筋弛緩剤入りの食事と持ち込んだ缶詰と炭酸水を入れ換えた。
それ以前に、オリムラ・イチカを拉致した時しっかりと縛らなかった。
オータムが言うにはオリムラ・イチカは細工をしていたのに逃げなかったらしい。
研究所へ行くのが目的だとでも言うかのように…
そうして、『検体』つまりオリムラ・イチカは奪われた。
私達が駆けつけた時には戦闘は終了していた。
あんな真似ができるのは、それこそISの産みの親たるプロフェッサー・タバネだけだろう。
ただ、気になるのは地下深くまで空いた穴と、『IS同士が戦った』ような跡だ。
まるで何かを運び出す為に開けたような大穴…
考え事をしていると、階段を登り終え、城の一階に出ていた。
「やぁスコールさん。警備ですか?」
オルコット卿が階段脇の椅子に座っていた。
余程あのエクシアという少女を心配しているらしい。
いい城主様ね…
「ええ、そうですオルコット卿」
「お仕事お疲れ様です」
オルコット卿に答えたのは、オータムだった。
「仕事だからな」
『仕事だから』、それは割り切るための言葉。
オータムも最近はある程度割りきれるようになっている。
でも、それでも不安はかわりないのよね…
「いくわよオータム」
「おう」
外に…城門の前に陣取る。
「オータム」
「んだよ?」
「敵が来る前に逃げましょう」
「はぁ?」
「いい?私達は既にブリュンヒルデとレニユリオンの怒りに触れているの」
オリムラ・イチカを奪還したのは恐らくあの二人。
そして、仮にヴィーティングを急襲するとしたら、彼女達以外にありえない。
あの二人に勝てるはずがないわ…
「そう…だな」
「だから、敵が来る前に……ッ!?」
気温がガクッと下がったような気がした。
「おい…スコール」
「ええ、おそかったようね…」
圧倒的な威圧感。大切な物を握られているかのような恐怖感。
その根元は、闇だった。
月明かりをの中を悠々と進む闇。
シルエットがはっきりしない、かろうじて人型とわかる黒々とした闇。
ただ、闇の中に二つの光が見える。
それはまるで、瞳のようだった。
「もう…逃げられないわ」
「ああ…戦うしかねぇみてぇだな…」
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