第45話 ラインハルト捕殺作戦会議
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
では無いのですかな」
「出来る限り、敵を捕獲したいのですよ」
「なるほど、それで我々を連れて来た訳ですな」
「敵の指揮官が死ななきゃ手足を切り飛ばして頭をかち割っても良いんですけどね」
「此はまた、過激なことを、いっそ沈めた方が良いのでは?」
「沈めないのは、帝国が捕虜交換直後に同盟領へ侵入してきた事が世論のイゼルローン要塞再攻撃の後押しとならないためですよ」
「尚更沈めた方が良い気がするのですが?」
「いえ、有耶無耶にすると、責任の所在が判らなくなりますからね」
「中佐に責任を取らす御仁は居ないでしょうに」
シェーンコップは思った。独断専行の責めがアッテンボロー本人に罹らないようにするためか、この人は案外期待はずれかも知れないな。所がリーファの言葉を聞いて考えを改めざるを得なくなった。
「今回の侵入が有れば恐らく門閥貴族の横槍でしょう。帝国は今はイゼルローン要塞に来て欲しく無いためにあらゆる手を打っています」
「ほう、しかし新兵器なら構わず追っ手を差し向けるのでは?」
「帝国軍なら態々イゼルローン回廊で小競り合いを仕掛けて、同盟の関心をイゼルローン回廊に持って来て博打のような巡航艦潜入をするぐらいなら、フェザーン回廊から仮装巡航艦で追撃しますよ」
「その為に捕獲ですか?」
「そうです、同盟市民が激高しないように、今回の潜入は帝国政府ではなく屑の門閥貴族の私怨により行われたとの証拠が欲しいと言う訳です」
「イゼルローン要塞攻撃のチャンスでは無いのですかな」
「中佐も判っていて、意地悪ですね。今の同盟の戦力じゃ、艦隊が集まっている回廊は抜けませんよ」
「そうですな。それが判らない御仁が多すぎるのが大変ですな」
「人ごとのように、それだから、ローゼンリッターには期待しています」
ふむ。この人はやはり思った通りの人だな。此処まで言われれたら、微力を尽くしますかな。
「判りました、このワルター・フォン・シェーンコップ、微力を尽くしましょうぞ」
「微力ですね」
「そうです、微力です」
「フフフ」
「アハハ」
がっちりと握手する。リーファとシェーンコップであった。
半日かけた会議はカールセン提督の言葉で締めくくられた。
「今回の訓練は思わぬ事から、実戦になるかも知れないが、このような事戦場では良くある事だ心して望んで欲しい」
各戦隊指揮官が帰還後、カールセン艦隊は50隻20グループに分かれて民間船などに見られないよう主要航路外の宙域からフェザーン回廊出口付近へ向かっていく。
帝国暦484年1月17日
■自由惑星同盟領 フェザーン回廊近辺航行不能宙域至近
統帥本部作戦三課アーベントロート少将の特命で12月21日イゼルローン要塞を密かに出立した巡航
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ