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ハイスクール D×D +夜天の書(TS転生オリ主最強、アンチもあるよ?)
第1章 これから始まる物語
第1話 決意の日、決断の日
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――彼は、どこまでも実直で、真面目すぎたのだ。
グレアムは、自責の念を増していき、めっきりと老けこみ、やがて隠棲してしまった。時を経て、英雄として次元世界の歴史に名を残したギル・グレアム提督。彼の心中と、晩年を知る者は死に絶え、名声だけが残った。
ありえた歴史――本来の物語――とは異なる最期を迎えた「英雄」ギル・グレアム。
悲願だった闇の書事件を解決した結末は皮肉なものだった。史実では、救済される筈だった彼は、事件解決の代償として、自らの手で道を閉ざした。望まぬ賞賛は、生涯彼を苦しめ続けるのだった。
『英雄は異なる運命を強制され
英雄に虚構の奇跡を強制する
英雄は望まぬ賞賛を強制され
英雄に虚像の真実を強制する
英雄は仮定の未来を強制され
英雄に孤独な懺悔を強制する』
(とある姉妹の手記――造られた英雄の詩)
ここで語られた話は、あったかもしれないIFの話。終わってしまった物語。
つくられた悲劇
つくられた喜劇
たとえば、そんなヒストリー
――――それは、英雄「ギル・グレアム」と愛娘たちの回顧録。
――――英雄に成り果ててしまった回顧録。
――中を知る者は、もういない。
◆
「闇の書」は、アルカンシェルを浴び、消滅しようとしていた。が、すぐに無限転生機能が発動した―――――瞬間に、異質な力の干渉を受け、エラーが発生した。
イレギュラーの発生で、第97管理外世界「地球」の所有者に転移するはずの闇の書は、
次元世界の壁ではなく、三千世界の壁を乗り越えた。不可能な筈の「異世界」への旅路の中で、何者かに導かれるように、運命に流されるように、「異世界の地球」に転移した。
「世界」を越えた影響か、異質な力によってか、奇跡のように防衛プログラムの
バグが修復された。復活した「夜天の書」――闇の書の正式名称――は、この世界で1人しか存在しない主に相応しい少女
――「八神はやて」の元に転移した。
幾年かの時を経て魔力の充填が終り、起動する寸前。主の危機を察知した書は、主を守るために力を発動した。駆けつけた守護騎士たちは、たちまち敵を打ち倒し、少女の嗚咽と慟哭が響く中、出会い――――家族になった。
この日、少女――八神はやて――は、夜天の王となる。
世界の異分子にして異端。少女と騎士たちの前に、如何なる運命が待ち受けているのだろうか。
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