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ハイスクール D×D +夜天の書(TS転生オリ主最強、アンチもあるよ?)
第1章 これから始まる物語
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自然とできていたために当時は気づかなかったが、異常な才能だったと、今なら分かる。
複数の物事を処理する――マルチタスクというらしい――とき、「僕」はではなく、「わたし」で考えることが多かった(ちなみに、前世の知識を用いる場合、「俺」と「わたし」の両方を使っていた)。
「わたし」と言う分には、「僕」と「わたし」のどちらを使うのか迷ってるのねぇ、と、お母さんに微笑ましく思われていたようだ。そんなこんなで、「僕」「俺」「わたし」の境はとても曖昧で、複数の人格が存在するわけでもなく。
頭を切り替えるときに自然と口調が変わってしまう程度で、日常生活において特に支障はなかった。
前世の知識とやら便利なものだ。それが、当時の「僕」の認識だった。
――そう。あの日までは。
『6月3日から6月4日――「僕」9歳の誕生日――へと日付が変わる午前0時』
――――この時を境に、「わたし」と「俺」は「ボク」になった。
「僕」はこの日を忘れない。生涯忘れることはないだろう。
当たり前の日常が一瞬にして崩れ落ち、非日常の餌食になった日を。
父と母が死に、ボクだけが生き残った日を。
大事な家族を失うと同時に新しい家族を得た日を。
「僕」は知ったのだ。知るしかなかった。
当たり前と思っていた日常が、如何に尊いかを。
非日常おいては、弱者は、強者の気まぐれで、時に庇護され時に蹂躙されるしかないことを。
そんな「僕」がひたすらに力を求めたのは、必然だったといえよう。
大切な日常を守りたい。理由はそれだけ――だったはず。
この日、「ボク」こと八神はやては、動き出す。
前世では、「ハイスクールD×D」と呼ばれていた物語の世界で、「リリカルなのは」の世界で畏怖されたロストロギア『夜天の書』のマスターとして生きていく決意をした。
家族と一緒に幸せに暮らせれば、他に何もいらなかったのに。
ボクはただ、日常を取り戻したかっただけなのに。
けれども、僕の最初の願いは――――だった。
もちろん、「ボク」は独りで戦ってきたわけではない。愛する家族――ヴォルケンリッターとリインフォースを合わせた5人――で力を合わせて、頑張って来たんだ。
原作なんかに負けない!
◆
『天が夜空で満ちるとき
地は雲で覆われ
人中に担い手立たん』
(とあるベルカの「預言者の著書」より)
これから語る話は、直向きに平穏な日常を願う少女と家族たちの物語。
ありふれた喜劇。
ありふれた悲劇。
たとえば、そんなファンタジー
――――それは、夜天の王「八神
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