猫娘と明かされる秘密編
NO.044 話される秘密と出久との関係性
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それを聞いてさらに出久の脳裏に嫌な映像が流れ始めていた。
「ぐぅ……!」
「緑谷ガール!? 先程からどうしたのだね!? 様子がおかしいぞ!」
「す、すみません……なぜか」
そう言って顔を上げた出久はオールマイトの顔を視界に入れた瞬間、
「あっ……」
まるでフラッシュバックでも起きたかのように見た事の無い映像が頭に再生される。
誰かの視点なのだろう。
一人の男と、そしてお腹に穴を開けられて内臓が飛び出しているオールマイトが、それでも果敢に男に立ち向かっていくというそんな映像……。
「ウプッ!?」
出久は口を押さえてこみ上げてくるものをなんとか抑えようとした。
だが、
「あわわ! 緑谷ガール、我慢しないでいいよ! 水道があるからそこで戻してしまいなさい!」
オールマイトの言葉で出久は水道にすぐに駆けこんで吐いてしまっていた。
それからオールマイトに背中を擦られて少し落ち着いた頃合いに、
「本当にどうしたんだね……? 話をし出してから様子がおかしいな」
「ごめんなさい……なんかオールマイトがお腹に穴を開けられながらも戦いを挑んでいる光景がなぜか脳裏に再生されてしまって思わず吐き気が……」
「なに……? それはもしや……」
オールマイトはそこまで聞いて嫌な感覚を覚えた。
それと同時に出久の頭の中に声が聞こえてきた。
『ゴメンね! ゴメンねイズク!』
「えっ……?」
『変なものを見せちゃったよね! ゴメンねイズク』
「もしかして、フォウなの……?」
『うん……』
その、たまに出てきては話しかけてくる感じではなかった。
出久に見られたくないという感情が込められている音色だった。
「緑谷ガール……前に君が話した声の主が話しかけてきているのかい?」
「あ、はい……少し待っていてください。それで、どうして君が謝るの?」
『私がいけなかったの……奴の口車に乗せられてしまったばかりに……屈服してしまったばかりに……』
「それって……どういう?」
『今夜……夢の中でゆっくり話すね。私の過去を……』
それを最後に声は聞こえなくなってしまった。
「緑谷ガール……話は終わったのかい?」
「あ、はい……」
それで出久は先ほどの短いやり取りをオールマイトに伝えると、
「もしや……その彼女もオール・フォー・ワンとなにかしら関わりがあったのだろうか……?」
「わかりません。とにかく、今夜に聞いてみます。内容はまた明日話します」
「わかった。それじゃ話は戻るけどワン・フォー・オールはオール・フォー・ワンを倒すために受け継がれた力だから……君はいつか奴と対面する事になるかもしれない。だから……」
「大丈夫です。オールマイトの頼みならなんでも応えます
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