猫娘と明かされる秘密編
NO.044 話される秘密と出久との関係性
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それを聞いた瞬間、出久の胸がなぜか痛みだしたのを感じた。
今は軽いものだがなぜか収まってくれないような、そんな感覚……。
それでもオールマイトの話は続いていく。
時代は超常黎明期。
個性の出現によって様々な思想が絡み合い、人類は歩みを止めたまさに『荒廃』と言わんばかりの混沌とした時代。
その時代の中で一人の人物が大頭してきた。
人々から個性を奪い、圧倒的な力によって勢力を広げていく。
そんな覆しようのない力の前にその男の悪行を止める者はいなく、瞬く間に悪の支配者として日本に君臨した。
それを出久は聞いて脳裏になにやら変なイメージ映像が流れるような感覚を必死に無視するように話の進行を聞く。
「ッ……でも、そんな事はただの創作話ではないんですか?」
「いや、実際にあった事なんだ。それより緑谷ガール、顔色が少し悪いが一旦休もうか……?」
「い、いえ……なんとか大丈夫です。なんかさっきから変なイメージが頭にチラついてきていて……」
「変なイメージ……なんだろうね? 続けても大丈夫かい?」
「はい」
オールマイトの話は再開された。
男は個性を他人に与える事で信頼……あるいは屈服させてきた。
だが、与えられたものには負荷に耐えられずに物言わぬ人形になってしまうものもいた。
「それって!」
「ああ。脳無のようにね……」
そして負荷に耐えられないものもいれば、逆に取り込んで混ざり合って変異するという現象もあったという。
彼には弟がいた。
弟はひ弱で無個性だと思われていたが、それでも兄の所業に心を痛め、抗っている青年だった。
男はそんな弟に無理やり『力をストックする』と言う個性を与えた。
屈服させたかったのかまではもう分からないという。
「まさか……」
「ああ」
弟は実は個性を持っていた。
ただ、『個性を与える』という無意味な個性だった。
それが偶然だとはいえ、力をストックする個性と混ざり合った結果、生まれたのがワン・フォー・オールのオリジンである。
オールマイトはそこまで話し終わって、一旦深呼吸をした。
「皮肉な話だろう? 正義はいつだって悪から生まれるものなんだ」
「ちょ、ちょっと待ってください! 成り立ちは分かりましたが、なんでそんな大昔の話を……?」
「男はね……なんでもありだったんだ。おそらく成長を止めるとか何とかいう個性を奪っていたんだろうね」
「そんな……」
「半永久的に生き続ける悪の象徴……それに対して弟はあまりにも無力だった。だから次世代に託すことにしたんだ。今は敵わずともいずれ打ち倒してくれるという願いを込めて代を重ねていき、そしてついに私の代で奴を打ち取った!!……そう思っていたのだが、奴は生き延びて今ではヴィラン連合のブレーンとして再び動き出している」
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