猫娘と明かされる秘密編
NO.044 話される秘密と出久との関係性
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出久はオールマイトが待っている仮眠室へと足を運んでいた。
扉の前まで来て、出久はなにかしら覚悟の眼差しをしながらも一言、「失礼します」と言って中へと入る。
そこにはどこか重苦しい表情をしたオールマイトの姿があった。
オールマイトは手を組みながら一言。
「緑谷ガール、掛けたまえ」
「は、はい……」
依然出久にとってはいつものオールマイトの姿ではないという感覚を味わいながらも椅子に腰を預ける。
そしてまずはヒーロー殺しの件についてオールマイトは触れていく。
「色々大変だったそうだね。近くにいてやれずにすまなかった」
「そ、そんな! オールマイトは何も悪くはありません! 僕が至らなかった結果ですから……」
「そう言ってもらえると少しだけ心休まるが……それはそれとして、緑谷ガール、君、ヒーロー殺しに血を舐められたって聞いたよ?」
「あ、はい……ヒーロー殺しの個性で血を舐められた人は少しの間だけ行動不能に陥ってしまうものでした。ですが、それがなにを……」
「力を渡した時に言った事を覚えているかい……?」
そう言われて出久は過去の光景を思い出すように考えを巡らせて、一言、
「『食え』ですかね?」
「緑谷ガール……女子がそんな顔をしてはいけない」
「あ、すみません……」
女の子がオールマイトの様ないかつい顔になるのはさすがに耐えがたいものがあるためにオールマイトもさすがにそこは正しておいた。
「そこじゃないんだ。前に言ったね? ワン・フォー・オールの譲渡はDNAを取り込むことによって初めて成立するという事を………」
「あっ!? そ、それじゃヒーロー殺しにもしかしてワン・フォー・オールを!?」
「あ、いや。その心配はないから安心していいよ。忘れていた事はまぁいいけど、今後は覚えておいてくれたまえ。いつか君が次の世代に譲渡する時には説明が必要だから」
「はい……」
出久は思った。
まだ完全に扱いきれていないのにもう次の世代の話まで持ち出されてはまるでその時にはもう……。
出久は嫌な気持ちになったのを誤魔化すために今は忘れる事にした。
「ワン・フォー・オールはね。渡したいと思った相手にしか譲渡できないものなんだ。だから無理やり奪われる事もないけど、逆に言えば無理やり渡す事は出来るけどね」
「そうなんですか……」
「うん。それで話はワン・フォー・オールの事なんだけどこれはとても特別な個性なんだ。その成り立ちも含めて……」
オールマイトは話す。
ワン・フォー・オールはもともとある一つの個性から派生して生まれたものだと。
「オール・フォー・ワン……他者から個性を『奪い』、己の物として、そしてソレを他者に『与える』ことのできる個性だ」
「オール・フォー・ワン……」
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