30部分:エリザベートの記憶その八
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し帝国軍の後背を衝いていくぞ。よいな」
「了解」
こうして作戦は決定した。タンホイザーは艦隊をさらに一個設けると共に戦力を充実させ、そのうえで北上を開始した。そしてそのまま帝国軍の星系を侵食していったのである。
その間多くの情報が入ってきた。その中で一つ気になるものがあった。
「パルジファル=モンサルヴァート」
「御存知でしょうか」
「聞いたことはある」
タンホイザーはラインマルの言葉に応えた。
「確か兵器の密売商人だったな」
「はい」
「顔を仮面で隠していて男か女かもわからないと聞いているが」
「その彼が何かと動き回っているそうです」
「動いているのか」
「はい。トリスタン=フォン=カレオール博士の軍の立ち上げに全面的に協力したそうですし」
「カレオール博士のか」
タンホイザーはそれを聞いてまた考える顔になった。
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