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駄目親父としっかり娘の珍道中
第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その4
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「あぁ、喧嘩だってよ!」

 ふと、三人の近くにそんな野次が飛び込んできた。
 喧嘩。別にこの江戸の町ではそれほど珍しいイベントではない。
 喧嘩と祭りは江戸の華と言われてる通りしょっちゅう街中では喧嘩が絶えず行われている事が多い。
 なので、こうした喧嘩が行われる度に大勢の見物人たちが押し寄せる事もあると言えばある。
 中にはどちらが勝つか賭けの対象にしたり近くに店を構えだす者までいたりする。
 本当、商魂たくましいと言うべきか意地汚いと言うべきか。

「喧嘩だって!? すぐに止めに行かないと」
「あぁ、別に気にしなくても良いよユーノ君。江戸で喧嘩なんて日常茶飯事なんだし」
「そ、そうなんですか?」
「まぁね。喧嘩と祭りは江戸の華なんて言われてる位だから。下手に仲介に入ると逆に怪我するかも知れないから基本的には放置しておくのが安全なんだよ」

 とは言うが、それは只の殴り合いだの口論だので済む喧嘩での場合のみでの話になる。
 中には喧嘩がエスカレートしだして互いに武器を持ちだしたり周囲に被害が出る程過激な喧嘩に発展してしまう事もある。
 そうなった場合は流石に仲介に入らざるをえないのだがそう言う時こそ国家権力の出番となる。

「そう言えば、此処に国家権力が居たねぇ。異世界とは言え喧嘩をほっといていいのかなぁ?」
「何だい、もしかしてさっきの仕返しのつもりか? まぁ、せっかくだから君のその安い挑発に乗ってあげるとするよ」
「有難う。そしてそのまま喧嘩に巻き込まれて顔辺り殴られてしまえ」
「ははは、そうならないように努めるとするよ」

 二人の痴話喧嘩にも似た光景を目の当たりにした新八は止めようとしたのだが、この際どちらについて止めるべきか悩んでしまっていたと後に便宜したそうだ。

「喧嘩って言うけどよぉ。一体誰と誰が喧嘩してんだ?」
「それがよぉ。なんでも犬みたいな尻尾と耳付けた男と女の天人みたいだぜ。しかも女の方は滅茶苦茶色っぺぇのなんのって」
「おいおい、要するにただの色恋沙汰の喧嘩って奴か?」
「かもな、喧嘩は色町で起こってるって言ってるし。俺達もその喧嘩見に行ってみるか」
「だな。その色っぺぇ姉ちゃんってのも気になるしな」

 周りの野次を聞くに喧嘩の発信源は色町にあるようだ。
 『色町?』と首を傾げるユーノにクロノは知っている限りの情報を包み隠すことなく教える。すると途端に顔を真っ赤にするユーノ。
 まぁ、この年ならそんな反応をしても当然と言えるのかも知れない。
 新八ですらたまにそんな反応とかするし。

「そ、それじゃ・・・その天人達が喧嘩してるっていう色町まで僕が案内するよ」
「よ、宜しくお願いします」
「・・・二人共顔が赤いけど熱でもあるのかい?」

 こんな時
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