第85話 後始末は自分の手でつけるのが世の中の鉄則 その4
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
道行く人々や過ぎゆく風景をその目に焼き付けながら、彼は物珍しそうに辺りに視線を向けていた。
余りにも場違いとも思えるその風貌や風景がとても物珍しく見えてしまっているようだ。
そのために、余りキョロキョロするなと言われても中々言われた通りに出来ないのが現状と言える。
彼の故郷では絶対に見る事がないだろう見慣れない衣服に奇妙な髪型。
これがこの地、江戸での基本的な服装と髪型なのだと言うそうだ。
因みに彼自身のツテで調査した結果、彼らが身に着けているのが『キモノ』と言うらしく、男性等がしている変わった髪型を『チョンマゲ』と言うらしい。
まぁ、彼の居た地ではまずお目に掛かれないのは確実だったりする。仮に彼の元居た場所であんな恰好をしていたら確実に変人扱いされる。
「そんなにキョロキョロしてどうしたんだ? 隣に居る僕も恥ずかしいんだけどさぁ」
「あ、ごめん・・・あんまりにも見慣れない服装をしてる人たちばっかりだったから」
確かに、彼の今身に着けている服装からして見れば、江戸町内の人たちの服装はさぞ珍しく映って仕方がないと言えるだろう。
しかし、それは物珍しく見渡している彼自身の服装もまた、江戸町内を歩く人たちからして見れば相当珍しく映っている事だろう。
「大体、江戸に来ると言うのにその恰好はどうかと思うんだけどなぁ。部族衣装にマントだなんて、如何にも異国の人間と言ってるようなものだぞ」
「そう言う君だって、その恰好は何だよ? バリアジャケットと同じ色の着物を着るなんて、君自身は相当江戸の空気にどっぷりと浸かってしまっているみたいだね」
言いながら彼こと『ユーノ・スクライア』は自分の衣服と道案内をしてくれているクロノの今着ている服装を見比べていた。
普段は執務官専用の仕事着に身を包んでいるクロノも此処では江戸特有の衣服とされる着物と言う衣服を身に着けている。
普段から常に気を張っていた彼とは思えない気の緩みようだ。
恐らくは、この江戸と呼ばれる地がそれだけ治安が良い場所なのかも知れない。或いは、この地に無用に干渉しない為の配慮ともとれるのだが、執務官が一々そんな事を気にしていたら仕事など出来る筈がない。
まぁ、何が言いたいのかと言えば・・・余りにも異世界の衣服を見事に着こなしているこの執務官にユーノは少なからず敗北感と言うか嫉妬感を抱いていた。
彼が今まで江戸に来てなかったのには理由がある。
まぁ、簡潔に言えば以前に起こったジュエルシード事件の後始末に追われて今の今まで自由に動けない時間が殆どだったからだ。
何しろ事件の発端とも言うべきロストロギアを発掘した張本人なのだから当然事情聴取だとかその他色々と面倒な目に合わされるのは必然的な事なのだからしょうがない。
別に作者個人が彼
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ