第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
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〈“Barri?re”!〉
―――“弓奥義・朱雀落-瘴-”
ギィイイイイイイン!!!
その矢の攻撃に、私は障壁越しに仰け反ってしまう。
障壁にも罅が入り、何かしらの一撃ですぐに崩壊するだろう。
……その障壁越しに、集束する瘴気が見えた。
「まずい……!」
回避は論外。周囲への被害が途轍もない事になる。
防御はただただ隙を晒すだけ。あの瘴気と守護者は別々で動けるから。
……迎撃及び相殺しか、ない。
「呑み込め、瘴気……!」
―――“禍式・束瘴波”
「撃ち抜け、極光よ!!」
〈“Sacr? lueur de s?toiles”〉
集束した瘴気の波動と、私の砲撃魔法がぶつかり合った。
いくら大門の守護者が持つ瘴気と束ねたとはいえ、私が放ったのはあのアンラ・マンユにもダメージが入る砲撃。まず撃ち負ける事はない。
―――なんて、そんな事を考えてしまったからだろうか?
〈マスター!!〉
「ッ!?」
砲撃を貫き、瘴気を大きく削った瞬間、守護者が私の懐へ肉薄しているのに気付いた。
―――“Barri?re”
―――“極鎌鼬-真髄-”
―――“速鳥-真髄-”
―――“扇技・神速-真髄-”
「しまっ……!?」
ストックしていた障壁を繰り出し、攻撃を阻止しようとする。
だけど、読まれていた。
風の霊術を使い、加速系の霊術も併せて瞬間的に加速。
……一瞬にして、私の背後に回り込まれた。
「ッ……!!」
ギリギリ。刃が皮膚に食い込む瞬間に、ストックしていた転移魔法が間に合う。
だけど、それのせいで恐怖心が膨れ上がり、身体強化の効果が落ちる。
「なっ……!?」
さらに、そこに追撃。
それは矢ではなく、投擲された斧。
しかも、タイミング的に転移先を先読み……いや、誘導されていた。
ギィイン!!
「ぐぅぅ……!」
「ふっ……!」
「っ、ぁああっ!?」
斧をシュラインで防ぐ。……防いでしまった。
そこへ瞬時に間合いを詰めてきた守護者が刀を振るう。
何とか斧を逸らし、刀自体は防げたものの、そこまでだった。
霊力の放出に私は吹き飛ばされ、木々を倒しながら地面に激突する。
「ぐ……ぁ……」
〈マスター!!〉
「っ……!」
地面に仰向けに倒れる私に、矢が撃ち込まれる。
シュラインの警告がなければ、ストックしていた転移魔法で避けられなかった。
「
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