暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


〈“Barri?re(バリエラ)”!〉

   ―――“弓奥義・朱雀落-瘴-”

     ギィイイイイイイン!!!

 その矢の攻撃に、私は障壁越しに仰け反ってしまう。
 障壁にも罅が入り、何かしらの一撃ですぐに崩壊するだろう。
 ……その障壁越しに、集束する瘴気が見えた。

「まずい……!」

 回避は論外。周囲への被害が途轍もない事になる。
 防御はただただ隙を晒すだけ。あの瘴気と守護者は別々で動けるから。
 ……迎撃及び相殺しか、ない。

「呑み込め、瘴気……!」

   ―――“禍式(まがしき)束瘴波(そくしょうは)

「撃ち抜け、極光よ!!」

〈“Sacr? lueur de s?toiles(サクレ・リュエール・デ・ゼトワール)”〉

 集束した瘴気の波動と、私の砲撃魔法がぶつかり合った。
 いくら大門の守護者が持つ瘴気と束ねたとはいえ、私が放ったのはあのアンラ・マンユにもダメージが入る砲撃。まず撃ち負ける事はない。






   ―――なんて、そんな事を考えてしまったからだろうか?



〈マスター!!〉

「ッ!?」

 砲撃を貫き、瘴気を大きく削った瞬間、守護者が私の懐へ肉薄しているのに気付いた。

   ―――“Barri?re(バリエラ)
   ―――“極鎌鼬-真髄-”
   ―――“速鳥-真髄-”
   ―――“扇技・神速-真髄-”

「しまっ……!?」

 ストックしていた障壁を繰り出し、攻撃を阻止しようとする。
 だけど、読まれていた。
 風の霊術を使い、加速系の霊術も併せて瞬間的に加速。
 ……一瞬にして、私の背後に回り込まれた。

「ッ……!!」

 ギリギリ。刃が皮膚に食い込む瞬間に、ストックしていた転移魔法が間に合う。
 だけど、それのせいで恐怖心が膨れ上がり、身体強化の効果が落ちる。

「なっ……!?」

 さらに、そこに追撃。
 それは矢ではなく、投擲された斧。
 しかも、タイミング的に転移先を先読み……いや、誘導されていた。

     ギィイン!!

「ぐぅぅ……!」

「ふっ……!」

「っ、ぁああっ!?」

 斧をシュラインで防ぐ。……防いでしまった。
 そこへ瞬時に間合いを詰めてきた守護者が刀を振るう。
 何とか斧を逸らし、刀自体は防げたものの、そこまでだった。
 霊力の放出に私は吹き飛ばされ、木々を倒しながら地面に激突する。

「ぐ……ぁ……」

〈マスター!!〉

「っ……!」

 地面に仰向けに倒れる私に、矢が撃ち込まれる。
 シュラインの警告がなければ、ストックしていた転移魔法で避けられなかった。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ