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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
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きれなかった。
 シュラインのおかげで、何とか障壁は間に合う。

「(恐れていた近接戦……!でも、やるしかない!)」

 剣の腕は優輝君や葵ちゃん、蓮さんをも超える程。
 しかも、二刀流だ。手数の差でも私の方が劣る。

「ジュエルシード!!」

 ジュエルシード全てを援護に回す。
 個数と同じ数の、25の砲門を展開。それらから砲撃魔法を次々と放つ。
 それらは瘴気の攻撃を相殺し、牽制として守護者にも打ち込んでくれる。

「ッ、ァ……!!」

「……!!」

     ギギギギィイン!!

「ッ!」

     ドンッ!!

 やはり、少し交えただけで理解できた。
 少しでも剣戟が長引けば、障壁を張る間もなく私は斬られていた。
 それほどまでに速く、鋭く、重い連撃だった。
 もし、砲撃魔法による援護がなければ、私は逃げに徹していただろう。

「(早く、もっと速く!!)」

 祈りを強くし、さらに速く動く。
 そうでもしなければ、守護者とまともに打ち合えない。
 それだけ、近接戦では大きな差があった。
 ……剣道三倍段なんて目じゃなかった。彼女は、私の三倍どころか遥か高みにいる。

「ふっ……!!」

     ギギィイイン!!

 私が守護者と近接戦をして未だに無傷でいられるのは、偏に相性の問題だろう。
 先ほども言った通り、剣道三倍段という言葉があるように、刀と槍では槍の方が優位に立ちやすいようになっている。
 その優位性が、この場でも働いており、そのおかげで何とかなっている。
 ……逆に言えば、“何とかなる”までしか行っていない。

     ドン!ドン!ドン!

「くっ、せぁああっ!!」

 転移を繰り返し、攻撃を凌ぎ続ける。
 だけど、相手は守護者自身だけじゃない。瘴気もある。
 守護者が操作しているのか、ジュエルシードの砲撃を瘴気の触手が掻い潜ってくる。
 他の触手を相殺しつつ、魔力で一気に薙ぎ払う。

〈“Barri?re(バリエラ)”〉

     ギィイイイイン!!

「ッ……!」

   ―――“刀技・紅蓮光刃-真髄-”

「嘘……!?」

 たった一つの技で、アンラ・マンユの攻撃も防げる障壁が破られた。
 まずい、これは致命的な隙……!

「っ、ぁああああ!!」

 咄嗟に、ジュエルシードによる砲撃魔法を私と守護者の間に着弾させる。
 多少のダメージが私にも入るけど、このまま斬られるのよりはマシだ。

「ッッ……!」

 ……でも、そんな事をして間合いを取れば、守護者に付け入る隙を与えるだけだった。
 間合いが離れた瞬間、守護者は手始めに瘴気を矢に込めて放ってくる。

「シュライン!!」
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