第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きれなかった。
シュラインのおかげで、何とか障壁は間に合う。
「(恐れていた近接戦……!でも、やるしかない!)」
剣の腕は優輝君や葵ちゃん、蓮さんをも超える程。
しかも、二刀流だ。手数の差でも私の方が劣る。
「ジュエルシード!!」
ジュエルシード全てを援護に回す。
個数と同じ数の、25の砲門を展開。それらから砲撃魔法を次々と放つ。
それらは瘴気の攻撃を相殺し、牽制として守護者にも打ち込んでくれる。
「ッ、ァ……!!」
「……!!」
ギギギギィイン!!
「ッ!」
ドンッ!!
やはり、少し交えただけで理解できた。
少しでも剣戟が長引けば、障壁を張る間もなく私は斬られていた。
それほどまでに速く、鋭く、重い連撃だった。
もし、砲撃魔法による援護がなければ、私は逃げに徹していただろう。
「(早く、もっと速く!!)」
祈りを強くし、さらに速く動く。
そうでもしなければ、守護者とまともに打ち合えない。
それだけ、近接戦では大きな差があった。
……剣道三倍段なんて目じゃなかった。彼女は、私の三倍どころか遥か高みにいる。
「ふっ……!!」
ギギィイイン!!
私が守護者と近接戦をして未だに無傷でいられるのは、偏に相性の問題だろう。
先ほども言った通り、剣道三倍段という言葉があるように、刀と槍では槍の方が優位に立ちやすいようになっている。
その優位性が、この場でも働いており、そのおかげで何とかなっている。
……逆に言えば、“何とかなる”までしか行っていない。
ドン!ドン!ドン!
「くっ、せぁああっ!!」
転移を繰り返し、攻撃を凌ぎ続ける。
だけど、相手は守護者自身だけじゃない。瘴気もある。
守護者が操作しているのか、ジュエルシードの砲撃を瘴気の触手が掻い潜ってくる。
他の触手を相殺しつつ、魔力で一気に薙ぎ払う。
〈“Barri?re”〉
ギィイイイイン!!
「ッ……!」
―――“刀技・紅蓮光刃-真髄-”
「嘘……!?」
たった一つの技で、アンラ・マンユの攻撃も防げる障壁が破られた。
まずい、これは致命的な隙……!
「っ、ぁああああ!!」
咄嗟に、ジュエルシードによる砲撃魔法を私と守護者の間に着弾させる。
多少のダメージが私にも入るけど、このまま斬られるのよりはマシだ。
「ッッ……!」
……でも、そんな事をして間合いを取れば、守護者に付け入る隙を与えるだけだった。
間合いが離れた瞬間、守護者は手始めに瘴気を矢に込めて放ってくる。
「シュライン!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ