第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
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ラインの言葉ですぐに正気に戻り、転移でその場から移動する。
寸前までいた場所が霊術の炎で焼き尽くされ、転移先でも矢を防ぐ。
「(危なかった……!)」
転移魔法のストックを増やしつつ、転移で躱し続ける。
転移を繰り返しているおかげか、守護者も無闇に近接戦を仕掛けてこない。
それだけは救いだったけど、それ以上に厄介な事になった。
「(ここで瘴気を動かしてくるんだ……)」
少しだけあった希望に、さらに陰りが差す。
負けると思ってはならないと分かっていても、それでも希望が潰えそうになる。
「(ダメダメダメ!まだ負けると決まってないのに、諦められない!)」
そんな暗い気持ちを振り払い、目の前のことに集中する。
一見、さっきまでと状況は変わらない攻防が続いている。
ストックした魔法で攻撃を凌ぎつつ、遠距離魔法で攻撃をし続ける。
安定しているように見えるけど、瘴気がある時点でそんなのは簡単に瓦解する。
「っ、っ!ジュエルシード!!」
転移を重ねても無駄だと言わんばかりに、瘴気は触手となって辺りを薙ぎ払う。
そうなれば、瘴気がまき散らされ、被害がとんでもないことになってしまう。
それはまずい。だから私は受け止めるために魔力を放出。
障壁を重ね、その触手を受け止める。
「(してやられた!私を一か所に留めるために、態と!)」
転移で躱し続ける事に、私はほとんど負担はない。
何せ、その負担はほぼ全てジュエルシードが請け負ってくれている。
対し、守護者はずっと連戦で攻撃を放ち続けている。
さすがに守護者も無尽蔵の体力じゃないのだろう。
攻撃も戦闘開始時より若干鋭さがぶれている。
……だから、私の動きを止めた。
「ッッ!!」
〈“Barri?re”!!〉
―――“弓技・金剛矢-真髄-”、“弓技・重ね矢-真髄-”、“弓技・智賢征矢-真髄-”
―――“火焔旋風-真髄-”、“氷血旋風-真髄-”、“極鎌鼬-真髄-”、
ギギギギギィイイン!!
そう気づいた時には遅かった。
シュラインが、ストックしていた障壁の半分ほどを展開してくれる。
そこへ、次々と霊術や矢が突き刺さった。
その一撃一撃が非常に重く鋭く、障壁が何枚か割られてしまう。
「ッ……!?」
〈させません!!〉
―――“刀奥義・一閃-真髄-”
―――“Barri?re”
ギギィイイイン!!
だけど、それは囮だった。
回り込むように、一瞬で間合いを詰められる。そして、二刀による斬撃が放たれた。
気づいた時には私の判断力では防ぎ
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