第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
「ッ……!!」
ギギィイン!!
それは、天巫女だからこそある、魔法発動のタイムラグが無効化できる事。
事前に魔法を用意しているから、タイムラグを無視できるのだ。
現に、神速の二撃を何とか凌ぐと同時に転移魔法で距離を離している。
「(大規模な魔法を放っても、無駄な隙を作るだけ。だったら……!)」
―――“?toile filante”
魔力弾で、勝負する。
さっきまでと違い、威力も並の砲撃魔法よりも上だ。
これなら、さっきみたいにあっさりと突破される事はないはず……!
「(でも、こうなると……!)」
―――“Barri?re”
ギギギィイイイン!!!
「ッッ……!(貫通力の高い攻撃を、してくる……!)」
ストックしていた魔法を発動させ、飛んできた矢を防ぐ。
わかっていた事だ。これでどうにか出来たのなら、優輝君が負けるはずがない。
「(でも、こんなあっさり貫通してくるなんて想定外かな……!)」
障壁には大きく罅が入り、止めてはいたものの、矢は貫通していた。
後一発矢が多ければ、障壁は破られていただろう。
「(それに、問題はこれだけじゃない)」
転移し、設置型の砲撃魔法で牽制しつつ、守護者の動きを見る。
そんな守護者にまとわりつくように、瘴気が蠢いていた。
「(……あれがまだ動いていないということは、絶対にこれだけでは終わらない……!)」
その事実を理解すると同時に、攻撃を防ぎ、躱し、転移で間合いを取る。
そして、その度に恐怖心が積もっていく。
「(……怖い)」
今まで、ここまでの恐怖を感じた“人”はいなかった。
カタストロフのような次元犯罪者は、ここまで強くはなかったし、私より互角以下の時が多かった。何より殺意が守護者と比べたら圧倒的に弱かった。
アンラ・マンユはまず人じゃないし、“そういう存在”だと捉えていたから、例え負のエネルギーの塊だったとしても、真正面から受けて立てば恐怖は湧かなかった。……と、言うよりはあの時は死ぬ覚悟を決めてたからかな。
……でも、大門の守護者はそのどれとも違う。
まず、殺意や殺気がこれまでとは段違い……というよりは、一点に集中している。
アンラ・マンユのように無差別ではない。
そして、そんな殺意や殺気を伴い、攻撃してくるのだ。
正直言って、かなり場数を踏んでないと、あっと言う間に殺気に呑まれてしまう。
「(……もし、優輝君達に“殺気を耐える特訓”を受けていなかったら……)」
実戦でもアリシアちゃんたちが戦えるように、実戦での“空気”を作り出す特訓を、私た
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ