第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
怖い。でも、やらなければならない。
優輝君にも、皆にも頼られた。
信頼して、もしもの時を任された。
以前のように背負い込むんじゃなくて、皆の期待に応えるために……。
「……行くよ!!!」
〈“Sublimation”〉
その魔法を合図に、私は守護者に肉薄する。
……と言っても、中距離系の攻撃をするための間合いまで。
さすがに最初から近接戦を仕掛けるほど、迂闊な真似はできない。
優輝君達ぐらい、戦闘の経験があればいいんだけどね……。
「はっ!」
掛け声一つでできるとは思えないほどの弾幕を繰り出す。
出し惜しみや、長期戦を考えた魔力運用なんて考えてられない。
大門の守護者相手に、そんな事をすれば確実に殺される。
「(やっぱり、あの時感じた虚ろな気配は守護者だった……!)」
同時に、確信を得た。
昨日、妖が現れたあの日に感じた、不気味なほど虚ろなあの気配の正体。
それは、やはりというべきか、目の前の大門の守護者だった。
「ッ、嘘!?」
―――ギィイイイン!!
一発一発が弱いとは言えない威力だったはず。
そんな弾幕の中を、まさかそのまま突っ切ってくるなんて……!
予め障壁を張れるようにしていなければ、今ので死んでいた所だった……!
「っ……!」
考えを改める。
どの距離であってもまともにぶつかり合えば私が負ける。
近距離は元より、中距離・遠距離も関係なく、あの二刀で迫ってくる。
戦うとしたら、なのはちゃん並の長距離か……。
「ッ、シュライン!!」
〈はい!〉
ギィイイイン!!
否、長距離もダメだ。
転移魔法で距離を取った瞬間に矢が飛んできた。
なんとかシュラインで反らしたものの、すぐに転移してなければ追撃が刺さっていた。
「(全ての距離が、ダメ……!だったら……!)」
もう一つの戦法を取るしかない。
その戦法は確かに上手く扱えば私の中で一番強い。
でも、その代わりに扱いが難しい上に、天巫女としての負荷も大きい。
……だけど、やるしかない……!
「……!」
まずは手始めに障壁と転移魔法の術式をいくつも用意して控える。
ジュエルシードと天巫女の力があるからこそできる、魔法の“ストック”。
いくつかぐらいなら優輝君とかもできるけど、それが何十個、何種類ともなれば、私にしかできない代物になる。
「ふっ……!」
魔力弾を繰り出し、砲撃魔法を繰り出す。
シュラインも構えて、突破されても凌げるように準備しておく。
……この戦法には、私にとっての利点がもう一つある
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ