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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第159話「追い込まれる」
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した』〉

「『じゃあ、一旦帰還しよう』」

 この場で情報のやり取りをするのは、周りの事を考えると得策じゃない。
 説明は他の人に丸投げして、私はアースラに帰還する事にする。

「…………」

 一言、周りの人達に掛けてから転移しようとして、やめる。
 皆、遠巻きに見ているだけだし、気の利いた言葉が思い浮かばなかった。





「状況は!?」

「司ちゃん!」

 アースラに転移して、管制室に転がり込む。
 すぐ近くにいたエイミィさんに状況を尋ねる。

「司ちゃん!急いで現場に行って!座標はこっちで調整する!」

「は、はい!」

 状況は説明されなかった。
 いや、説明する暇もない程切迫した状況なんだろう。
 一瞬気づけなかったけど、クロノ君がこの場にいないという事は、クロノ君自身も出向かないといけない状況。
 ……そして、私にすぐ向かうように言ったのは、少しでも戦力が必要だから。

「……お願い」

「……はい……!」

 本来なら、簡潔にでも状況を説明しないといけないのだろう。
 それすら省く程焦っている……そう言う事なんだろう。

「(……優輝君)」

 そこまで行けば、どういった状況なのか自ずと分かる。
 ……優輝君一人では、守護者を倒せないのだろう。

「(……転移した直後から、全力で行かないとやられる……!)」

 相手は大門の守護者。
 何より、神降しをした優輝君ですら敵わない相手。
 ……油断なんて、一瞬たりともしてはいけない。

「っ………」

 ……覚悟を決めて、私は転送された。









   ―――ゾクッ……!



「ッッ……!?ジュエルシード!!」

 転移直後、体に走る悪寒から、即座にジュエルシードによる身体強化を施す。
 身の危険から起動したその身体強化は、本能から守るべきだと思ったため、驚異的な効果を発揮した。

「っ、そこ!!」

 そして、それだけの効果だからこそ、見逃す事はなかった。
 飛んできた御札を大きく躱し、発動した術を回避する。
 直後、感じ取った泥のような黒い気配に、即座に砲撃魔法を叩き込んだ。
 しかし、それは躱される。

「……大門の、守護者……!」

 その瘴気を見れば、嫌でもそうだとわかった。
 それに、優輝君のリヒトからも守護者の映像は送られていた。
 神降しでの戦いについていけない代わりに、情報伝達に徹していたらしい。

「(ここに単独でいるってことは、優輝君たちが負けたって事……!?)」

 あの圧倒的な力を持つ神降しですら敵わない相手。
 そんな相手に、私が挑む……。

「(……やるしか、ないよね……!)
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