27部分:エリザベートの記憶その五
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スもいる。タンホイザーはそれを聞いて内心安堵した。
「では我が軍も退くぞ」
「はい」
「その船団を守りながらな。撤退する。よいな」
「わかりました」
こうして彼等もチューリンゲンから退きはじめた。そのまま船団と合流しようとする。だがその時であった。
突如として帝国軍の艦隊が突出しだしたのである。
「ムッ!?」
そしてタンホイザーの艦隊を無視して船団に向かいはじめた。彼はそれを見て狼狽した。
「どういうことだ、我々を狙わないとは」
「公爵、それよりも」
部下達がそんな彼に対して言う。
「今は陛下を」
「う、うむ」
その言葉に我を取り戻す。そして慌てて指示を出す。
「陛下を御守りしろ」
「はっ」
この時彼はあくまで主の身の安全を優先させた。自身の家の者のことは後回しとした。
「陛下の乗っておられる船の周りを固めよ。そして御護りしたまま退くぞ」
「了解」
こうして彼は王の身を守った。市民達は既に殆どが避難しており今いる船団の中でも市民達の船は既に安全な場所にまで避難していた。だからこそ下せた判断であった。
だが彼はこの時それを知りながらあえてしなかったことがあった。その為に彼は奇異な運命に身を投じることとなるのであった。
王への護衛に向かう際何隻かの船がはぐれた。どれもオフターディンゲン家の船であった。
「公爵!」
「クッ、仕方がない!」
すぐに最低限の救援を向ける。だが一隻だけそのまま拘束されてしまった。既に帝国軍とワルキューレの戦闘がはじまっていた。従って拘束したのはどちらかわからない。
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