ペルソナ3
2055話
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…正直、私はあの男があまり好きではないのでな。人当たりは良いと思うのだが」
班目一流斎?
取りあえず、画家の名前を言われても俺にそれが誰なのかを理解出来る筈もないので、適当に流すとする。
そうして食事を終え、デザートのクリスマスケーキを食べ終え……食後のお茶をしながら美鶴と話していると、不意に美鶴が黙り込む。
「美鶴?」
「その……だな」
そう言いながら、美鶴は覚悟を決めたように口を開く。
「実は、近くのホテルの部屋を取ってある。……いいか?」
顔を赤く染めてそう告げる美鶴の言葉が何を意味しているのか、それが分からない訳がない。……ゆかりからも、その辺はしっかりと聞いてたしな。
「俺は勿論構わない。美鶴程の女を抱ける事に文句を言うような奴がいたら、それこそ正気かと言いたいくらいだしな。だが……逆に聞こう。美鶴こそ、本気でいいと思っているのか? 知ってると思うが、俺は昨日ゆかりを抱いた。それどころか、他に恋人が10人以上いる。そんな俺に、抱かれても……初めてを捧げても、本当にいいのか?」
正直なところ、美鶴程の美人を抱けるというのであれば、ここで何も言わずにホテルに向かった方がいいのだろう。
だが、一晩だけの関係ならまだしも、俺と美鶴は恋人同士である以上、この先もずっと一緒にいるのだ。
であれば、ここで一時の快楽を求めて下手に騙すような真似はしたくない。
そう思っての言葉だったのだが……美鶴は、俺の言葉に頬を染めながらも、しっかりと頷く。
「当然、私もアクセルが何を言いたいのかというのは、分かっている。ゆかりから、その辺の話は聞いているし、アクセルからも説明は受けているからな。……それを知った上で、私は今夜アクセルに抱かれたいと、そう思っているのだ」
「……美鶴って頭が良いと思ってたんだけど、何気に馬鹿だよな」
「誰が馬鹿だ、誰が。全く。処刑するぞ?」
そう言う美鶴だが、その口元は笑みが浮かんでいる。
馬鹿だと、そう言われたのが嬉しかったのだろう。
「分かった。……じゃあ、行くか」
その言葉に、美鶴は頬を赤くしながら……それでいて、しっかりと頷くのだった。
「その……何だ。こういう時にどうすればいいのか、迷うな。ア、ア、アクセルはその、こういう行為に慣れているのだろう? なら、その、どうすればいいか教えてくれないか」
ホテルの中の一室……それも、見るからに高級ホテルの、それもスィートルーム。
そこで俺と美鶴は、2人きりだった。
「どうするって言われてもな。……そうだな、まずは落ち着くか。そう言えば、クリスマスプレゼントも渡してなかったし」
そう言い、俺は空間倉庫の中からプレゼントを取り出す。
箱の中に入
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