斬月編・バロン編リメイク
ドラッグアンドドロップ
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変が起きた。ロックシードからヘルヘイムの蔓が茂り、月花を呑み込まんと四肢を這い上がった。
「咲ッ!?」
『だい……じょうぶ!』
月花は片手剣を盾から抜き、刀身を逆さに握って自らの腹に――リンゴの錠前に突き刺した。
真っ二つに割れてバックルから落ちた錠前。
変身が強制解除された咲は、その場にしゃがみ込んだ。
危なかった。少しでもタイミングと力加減を誤れば取り返しがつかなかった。
「咲、咲っ。なんてこと!」
「あたしらの前で割腹自殺案件にする気だったのあんた!?」
「……自決、ダメ、絶対」
「ごめん。すぐ壊さないと死ぬよりもっとヤバイことになる気がして」
「まあ確かに、はたから見てたらインベス化っぽかったけどさあ」
言いながらトモがリンゴのロックシードの破片を拾った。
「ところでこれどこにあったんだ? ヘキサと入れ替わってる間だよな?」
「そう、それ! ヘキサ、さっそくでごめんだけど、お兄さんのどっちかに連絡して。あそこの中にケガ人いるの。電話で話した人、朱月藤果っていう――」
夕暮れは近く、一日の終わりに差し掛かる頃、わいのわいのと騒ぐコドモたち。
運命を入れ替えたふたりの少女と、それにより命運を大きく違えた数人の物語が終わったとは、誰も知らない。
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