第二章
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「それでじゃ」
「そう言うんだね」
「うむ、とにかくじゃ」
「礼儀作法と信仰はだね」
「しっかりしたうえで合コンもじゃ」
イチゴパフェをお代わりしてそうしてカルピスチューハイもそうする、食べる勢いも飲む勢いも相当なものだ。
「楽しむのじゃ」
「かなりぶっ飛んだ巫女さんだと思うけれど」
「ははは、誉め言葉じゃ」
笑って済ませる祈だった。そうしてこの日彼女は合コンを心ゆくまで楽しみそのうえで寺に戻った。
だが寺に戻るとだ、厳めしい顔をした大柄な老僧が彼女の部屋に来て言ってきた。
「祈、今日もか」
「あっ、管長さん来られたんですか」
「合コンに行っておったな」
「はい」
祈はそのことを素直に認めた、まだ巫女の服は着ておらず合コンの時のアクセサリーをあちこちに付けていて革ジャンにタンクトップ、デニムの半ズボンに網タイツという非常に目立つ格好のままである。
「楽しく」
「全く、巫女ならな」
「身を慎めですか」
「神仏に仕えておるのだぞ」
「わらわはそうですよね」
「神宮寺におるのだ」
それでというのだ。
「それなら両方でだ」
「余計にですよね」
「わかっているではないか」
「だって毎日言われてますから」
「拙僧は毎日言う」
「何度でもですか」
「そうだ、絶対に諦めずにだ」
そうしてというのだ。
「お主が生活をあらためるまでだ」
「言うんですね」
「そうするからな」
「それは誰にもですよね」
「当然だ、拙僧は人を見捨てることはしない」
例えそれが誰でもとだ、管長は祈に話した。
「例え何があってもな」
「そうですか」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「そなたにも言うぞ」
「ずっとなんですね」
「そうするぞ」
「それで今日もですか」
「よいか、もっと巫女としての心構えをだ」
ここから祈を延々と叱る管長だった、祈は彼の小言をずっと聞いていた。そうして合コン帰りの日常の締めを迎えたのだった。
祈は礼儀作法や信仰はしっかりしているがその他のことはとにかく不真面目だった、そうして管長にはいつも怒られていたが。
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