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リング
226部分:エピローグ
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エピローグ

 ヴァルターは新しい帝国において執政官から宰相に任じられた。そして新たな帝国において辣腕を振るい帝国の地盤を固めることとなった。その政治力は長きに渡って讃えられ銀河の範とまで言われた。
 タンホイザーはチューリンゲン王家にそのまま仕えた。エリザベートと結婚した彼は家庭においては妻と末永く幸せに過ごすのであった。また新帝国においても要職を務めその任を果たした。
 ローエングリンは新帝国軍務大臣となった。彼の優れた軍事行政により新帝国の軍はこれまでにない程の精強かう効率的な軍となり国家を支えることとなった。
 ジークムントもまた軍に戻りそこで帝国きっての猛将として知られるようになった。また後に美しい妻を娶り幸せな家庭を築いた。愛妻家として有名であった。
 トリスタンは藩王としてカレオールを治めると共に新帝国の技術顧問となった。彼なくして新帝国の技術革新はなく、その繁栄もなかったであろうと言われている。イドゥンの技術は医学を大きく変えたとも言われている。
 ジークフリートは皇帝となった。スーラとアースの血を引く彼はブリュンヒルテと結ばれ全ての血脈の融和に努力することになる。その治世は意外な程寛容であり彼の政策が新帝国の長い繁栄につながるのであった。
 六人の部下達はそれぞれの主と共に新帝国に加わった。そして政治家として、軍人として帝国の柱となっていくのであった。彼等もまた帝国の礎となったのである。
 ワルキューレ達はヴァルハラを出た。そのままアースであることも戦士であることも捨て普通の女になった。彼等はその一生を普通の女として過ごした。
 そしてパルジファルであるが彼の行方は遥として知れない。多くの伝説が残っているがどれもその信憑性は疑わしいとされている。六人の同志達と再会したという話も放浪の賢者の話もある。またノルンにたたずむ隠者の話もある。だがそれもそれが本当のことなのか誰も知りはしない。
 ただ一つ言えることはもうアースの輪廻は終わったということであった・アースである彼はそれ以後決して歴史の表舞台に出ることはなかった。それだけである。
 長く果てしない輪廻は最後のラグナロクと共に終わりアースもニーベルングもなくなった。その後にあるのは。人による世界だけであった。気の遠くなる因果と輪廻から解き放たれた世界であった。

ラグナロクの光輝   完


                   リング全七部

                   ファフナーの炎
                   エリザベートの記憶
                   ローゲの試練
                   ニーベルングの血脈
                   イドゥンの杯
             
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