斬月編・バロン編リメイク
もぎたての受難
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言い方をすると、ワンサイドゲームである。
「(ねえこれ、スポットライトいじってるの、モン太でしょ。モン太ってバロンのファンだし)」
「(……『バロンの仇はおれがフルボッコにしちゃる!』って)」
――決戦の場をコンサートホールにしたのは、スポットライトを駆使して明暗を使い分ける戦場を構築するため。今頃はナッツ、モン太、トモが機材室で好き勝手に会場のスポットライトを操作している(ホテルの許可? 緊急事態につき省略)。ついでにアルフレッドの登場時の叛逆宣言も、記録機材で録画してあるで、物的証拠も確保済みだ。
あとはバロンがタイラントを仕留めるだけ――そう思ったのに。
あの禍々しいドラゴンフルーツのエナジーロックシードの光が暗闇に際立った。
コンサートホールにの照明が客席を含めて全灯火された。
タイラントがヘルヘイムの蔓に覆われ、オーバーロードインベスに成り果てようとしていた。
バロンがバナナからジンバーピーチを外し、ランスを手にタイラントに迫った。
「殺しちゃだめぇッ!」
碧沙の叫びが届いたかは分からない。だが、バロンはランスを突き出し、タイラントのドラゴンフルーツのエナジーロックシードとゲネシスドライバーのみを的確に刺突し、破壊した。
ロックシードとドライバーの破壊に伴い、アルフレッドの変身が強制解除された。床に転がったアルフレッドは、呼吸を荒げながらも、自身の手が怪物のそれでないことに唖然としている。
結果的にはアルフレッドをインベス化から救ったことになるが――碧沙は何も道徳や倫理で彼を助けたわけではない。
碧沙はチューやんを離れ、アルフレッドの前に立った。
「あと何人ですか?」
「――は」
「あなたの息がかかった人――ありていに言うとシャプールさんを殺すことに賛成の部下は、この街にあと何人いて、どこで、何をしているか。それを教えてください」
この事件はアルフレッドをやっつけてバンザイ、では終わらない。来日したアルフレッドの部下たちの暗躍も阻止せねば、シャプールの命は延々と脅かされたままだ。
「ああ、それと“財団”の中の派閥なんかも知りたいです。べつにくわしくなくてもいいです。そっちの情報は保険程度にしかあつかいません。シャプールさんが日本を無事に発てても、あっちの国の空港で迎えの人にドスリ! ってやられたら、意味ないですから」
そう――碧沙がアルフレッドを生かしたのは決して情などによらない。アルフレッドが貴重な情報源であるからだ。だから死なせてなどやらなかった。
「話したくないならべつにかまいませんよ? ただ、あなたは
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