斬月編・バロン編リメイク
もぎたての受難
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ールなど前座に過ぎない。邪魔な総帥も生まれた子も抹殺する。そしてあらゆる金と権力を手に入れ、私は絶対強者として“財団”に君臨するのだッ!」
アルフレッドがドラゴンフルーツのエナジーロックシードを今度こそ開錠し、アーマードライダーへと変身した。
その姿を見た碧沙は、アルフレッドが君臨するとしたら、それはロードではなくタイラントと呼ぶべきだ、と感じた。
金と権力が強さ。どちらもある家に産まれた碧沙はアルフレッドの言い分を否定しない。
だが反論はしよう。金も権力もただの“力”、所有者の強さの証明になどなりやしない。真に人間性を担保するものが何かと問われれば、呉島碧沙はこう答えよう。
「大切なものは――夢と人脈! です!!」
碧沙は咲のものであるランドセルから素早く、ゲネシスコアとピーチのエナジーロックシードを取り出し、戒斗へとパスした。
「駆紋さん、信じてます!」
これまた素早く、戒斗は片手でキャッチし、二つのパーツを戦極ドライバーに接合した。
「変身!」
《 バナナアームズ Knight of Spear ジンバーピーチ ハハーッ 》
――アーマードライダーバロン、バナナアームズ・ジンバーピーチ。
ピーチの陣羽織を纏った赤い騎士があらわになったのは一瞬だけ。なぜならバロンの変身完了の直後、コンサートホールのスポットライトが一斉に落ちたからだ。
タイラントには暗闇に没した周囲の状況を知る術はない。知っている。アーマードライダーの眼球部分には、望遠機能はあっても暗視機能は備わっていない。
条件はバロンも同じだが、今のバロンには集音機能を拡張するジンバーピーチがある。いかにこの場が暗闇一色であろうと、それを補うだけの聴覚がバロンの戦いを有利に運んでくれる。
(ごめんね、咲。せっかく咲が葛葉さんから貰ったパーツ、無断でほかの人に貸しちゃって。でも、咲っていう親友がいて、咲のトモダチが葛葉さんだったから、このバトンを駆紋さんにつなげたよ)
碧沙は苦笑しつつ四方を見回した。目に留まったのは、小さく瞬くLED。碧沙はその方向へ、走り高跳びの要領でジャンプした。その体をチューやんがキャッチしてから、チューやんは手首のLEDチョーカーの電源を切った。
「(ありがとう。ほかのみんなは?)」
「(……機材室)」
コンサートホールのあちこちをランダムでスポットライトが照らし出す。タイラントは反射的に照らされた位置へソニックアローを放つが、無人の的外れ。
逆にバロンはタイラントの駆動音をキャッチして弓と矢をタイラントにお見舞いする。身も蓋もない
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