ペルソナ3
2053話
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にはなりそうだけど、何かを食べるのが大変そうね。それに、もし食べる事が出来ても美味しく食べられるかどうかは微妙だし」
そんな風に会話をしながら、俺達はコース料理を食べていく。
食事の量としてはそこまで多くはないが、別に大食いチャレンジをしている訳でもないので、このくらいの量でおかしくないのだろう。
それに、多くないというのはあくまでも俺が感じる事であって、一般人にしてみれば十分満足出来る量だった筈だ。
そしてクリスマスらしくデザートのケーキが出され、そのケーキに舌鼓を打つ。
イチゴを始めとした果物がたっぷりと載っているショートケーキ。
ただし、コース料理だけに大きさそのものは普通だ。
「美味いな」
「うん、生クリームなんだけど、イチゴとかの酸味と喧嘩してなくて、しっかりと舌を楽しませてくれるわ」
グルメリポーターのようなコメントを残すゆかりだったが、実際、その言葉は決して間違ってはいない。
ケーキを持って来た人によると、今日の為にこのホテルでは世界的なパティシエを呼んだらしいし。
そうしてデザートも食べ終わり、俺とゆかりは夜景を見ながら食後の紅茶を飲みながら話をする。
そうした会話の中、不意にそれが途切れたその時、コツ、という硬い音がする。
何だ? と視線を向けると、テーブルの上に置かれていたのは鍵。
それもこのホテルの部屋の鍵。
そして今日がクリスマスイブとなれば、それが何を意味しているのか、俺にも分からない訳じゃない。
「いいのか?」
「……うん。アクセルなら大丈夫だと思うけど、もしかしたら……本当にもしかしたら、これがアクセルと一緒にすごす最後のクリスマスになるかもしれないもの。なら、私にアクセルの爪痕をしっかりと残して、アクセルに……抱かれたいの」
そう笑みを浮かべたゆかりは、照れからだろう。顔を赤くしている。
料理の中にアルコールの類が入っていなかったので、そっち関係ではないのは確実だ。
「本当は、高校を卒業するまでは……ゆかりに本格的に手を出すつもりはなかったんだけどな」
そう言い、俺はゆかりと共にレストランを出て……ホテルの部屋に消えていくのだった。
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