暁 〜小説投稿サイト〜
白髪赤目の少女と黒の剣士
アインクラッド編
街と理想と転移 (裏)
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と向かわせる。

「……でぇりゃぁぁ!!」

スパンッ……パリィィン

上手いことソードスキルを発動させられたようで、クラインはボアをきっちり倒せていた。

「うっしゃぁぁぁ!!」

「ナイスキル、上出来だよ。」

「おめでとう。でも今の猪、スライム相当だけどな。」

「えぇー!?何だよ!俺てっきり中ボスか何かだと……」

「んな訳あるか。」

「中ボス相当がこんなはじまりの街近くの原っぱにいるわけないでしょ。」

そんなことを言いつつも、クラインも着々とこのゲームにハマっていた。



そのまま3人で狩りを続け、気付けば夕方になっていた。

「……さて、もう少し狩りを続けるか?」

「僕はもう少しかな。」

「たりめーよ!……と言いてぇとこだが、腹減ってよぉ……一度落ちるわ。」

「こっちのご飯は、空腹感を満たすだけで美味しくないのばっかだしね。」

「へへっ!5時半に熱々のピザを予約済みよ!」

「準備万端だな。」

クラインは一度ご飯を食べに落ちるらしい。ちゃんと用意してる辺り抜かりないと思った。

「おうよ!まっ、飯食ったらまたログインするけどよ。」

「そっか。」

「しっかり食べてきてね。」

「おう!じゃ、マジでサンキューな。これからもよろしく頼むぜ。」

「また聞きたいことがあったら、いつでも呼んでくれ。」

「僕にも遠慮なく聞いていいからね。」

「おうよ!頼りにしてるぜ。」

そう言って僕達はクラインに背を向けて離れようとした。……クラインの声を聞くまでは。

「……あれ?ログアウトボタンがねぇ。」

「えっ…?」

キリトがクラインに話し掛ける中、僕はすぐさまメニューを開いて、ログアウトボタンがあるかどうか確認する。

「……ない……ログアウトボタン、僕のメニューにもないよ…!」

「なっ…!?」

「おかしいよ…!こんな……ログアウトボタンが無いなんてバグ、今後の運営にも関わるのに……」

「ほ、他にログアウトの方法はなかったっけか?!」

「……ない。こちら側からのログアウト方法は、ログアウトボタン以外、マニュアルにも乗ってなかった。」

「こんなの、不自然過ぎる……正式サービス初日に、ログアウトボタンが消えるバグ……まるで、誰かが意図的に消したみたい──」

パァァ…

「「「うわっ!?」」」

僕が冷静に推理していたその時、周りが眩しい光に包まれて、僕達はその場から姿を消した。
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