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リング
222部分:ラグナロクの光輝その七十六
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たね、アルベリヒよ」
「ああ、バルドルよ」
 彼等は互いのもう一つの心の名を呼び合った。
「全ては終わった。最後のラグナロクもまた」
「第四の時代が終わりました」
「古い輪廻もまた。終わったのだ」
 クリングゾルはそう呟くと懐から何かを取り出した。それは拳銃であった。
「最後の一騎打ちですか?」
「いや」
 彼は力なく首を横に振ってそれを否定した。
「ここで卿等を倒す為の銃だったが。今は違う」
「というと」
「全てを決する為だ。私自身を」
 そう言ってこめかみにその拳銃を当てた。
「さらばだ、アースから人となった者達よ」
 七人とエリザベートを見てこう言った。
「ニーベルングは去る。輪廻の終焉と共に」
「そうされるのですか」
「そうだ、後の世界に我等が不要ならば」
 もう彼に躊躇う理由はなかった。
「これ以上争っても無駄なこと」
「では」
「バルドルよ、先に待っている」
 引き金にかけられた指に力が入る。
「輪廻の果てでな」
「はい」
 クリングゾル=フォン=ニーベルングは倒れた。これが全ての終わりであった。

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