221部分:ラグナロクの光輝その七十五
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のは彼が思いもしなかったことであったからである。
「馬鹿な、卿は一体」
「私はエリザベート」
そこにいたのはヴェーヌスと同じ顔と姿を持ちながらも黄金色の髪と青い瞳を持つ女であった。それはかつてタンホイザーの夢に現われたあの乙女であった。
「ヴェーヌスでありヴェーヌスとは別の存在」
「馬鹿な、何故ヴェーヌスが」
「貴方の知らないうちにヴェーヌスの中に私が生まれた。そして私になった」
「そんなことが」
「有り得たのよ。それは何故か」
エリザベートは語る。
「貴方は人だから。神とはなれないのだから」
「私は神だっ」
「なら貴方は完璧な筈。私もヴェーヌスであった筈」
「くっ」
「それが何よりの証拠。その神でない貴方にこの銀河を治めることはできはしない」
「だが私は」
「観念するのですね、クリングゾル=フォン=ニーベルング」
パルジファルが愕然とするクリングゾルに対して言った。
「この銀河は貴方の手には入りません。そして勝利もまた」
「まだだっ」
クリングゾルは叫ぶ。だがそれは最早敗者の叫びであった。
「私はこの宇宙の支配者となるべき者。それは誰にも」
「否定出来ないというのですね」
「そうだ」
彼は言い切った。
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