ペルソナ3
2052話
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りと僕を倒して貰う必要がある。それに……僕を倒せない人が、ニュクスをどうにか出来るとは思えないしね」
「お前が生き残るという選択肢はないのか?」
望月の言葉通りに事態が進んだ場合、それは望月の死を意味する筈だ。
あるいは生き残れる可能性もあるかもしれないが、それは完全に運次第……それも、分が悪い賭けになってしまうだろう。
これが自分の事であれば、キョウスケの如く分の悪い賭は嫌いじゃないとでも言って行動に移しても構わないのだが、他人の事でそんな真似をする訳にもいかないだろう。
「アルマー君はニュクスを倒そうとしてるんだろう? なら、ニュクスと繋がっている僕は、結局消えてしまう。それなら……友達の手で消えてしまう方が、僕としては嬉しいな」
嬉しそうな笑みを浮かべている望月を見ると、それに対して何も言えなくなる。
いや、もしここで何を言っても、恐らく望月が聞くような真似はしないだろう。
「……多少の賭けにはなるが、生き延びる方法があるかもしれない。それでも死を望むか?」
既に、俺と望月の会話に割り込んでくる者はいない。
影時間の中、俺と望月の言葉のみが周囲に響く。
「多少の賭け、ね。それは……君の召喚獣だっけ? それになる事かな?」
「へぇ、気が付いたのか」
呟き、足で軽く地面を蹴る。
それが合図となり、刈り取る者が地面から……正確には、俺の影から姿を現す。
圧倒的な魔力が濃縮されている俺の血を飲んで召喚獣となった刈り取る者は、既にシャドウではない。
いや、勿論シャドウとしての性格は色濃く残してはいるのだが。
つまり、望月も俺の血を受け入れて召喚獣となれば、シャドウであってシャドウではない存在となり、ニュクスと運命を共にする事はなくなる。
そうなる為には、俺の血を受け入れても死なないだけの器とでも呼ぶべきものが必要だが、望月は宣告者などという大仰な存在だ。
である以上、当然のように俺の血の魔力に耐えきれずに死ぬ……などという事はないだろう。
だが……俺の言葉に、望月は首を横に振る。
「残念だけど、それは遠慮させて貰うよ。もし僕がそんな風になってしまえば、僕と繋がっているニュクスがどう反応するか分からない。そうなれば……下手をすれば、今この瞬間にでも目覚めを迎える可能性があるからね」
「そうか」
何を言っても、恐らく無駄だろう。
それは、望月の様子を見れば大体理解出来た。
他の者達……特に望月と付き合いの深かった順平や有里も、望月に何を言っても多分無駄だと理解しているのだろう。俺と同様にそれ以上に何も言う様子はない。
「なら……いつがいいんだ?」
「1月だね。それも、31日。それが、ニュクスを倒す……倒せるのであれば、最善の日と言ってもい
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