第14話 英雄といっしょ
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んですか? ……日光、さん。痛そうです」
「……優しいですね。貴方は。……ですが、お気になさらずに。私は大丈夫です」
軽くいなそうとする日光。
あまり聞かないでくれ、とも言っている様にも思えたエールは、それ以上の追及を止めた。
「だがな、日光。直らないままなのは嫌だぞ」
「………追々に」
日光は頑なだった。
そして、アームズは日光の事は一先ず置いといて、改めてエールを見た。
「日光はまだ教えてくれない様だが、刀も直る。折れても折れても、直る。それは人も同様だ。……エール。お前はまだまだ弱い。なら、鍛えれば良い。弱いなら強く、強くなれば良いではないか。幸い、お前に流れる血も英雄の1人だ。才能は紛れもなく世界トップクラス、豊富にあるだろう」
「…………はい。ボクも強くなりたいです」
「ああ、そうだな。強くなれば良い。仲間を集め、もう一度魔王に挑んでみると良い。……その時はきっと少し楽しいぞ。今日よりは間違いなく、な」
「……ふふ」
アームズの言葉に、ゾロも笑みを浮かべた。
「前を向き、そして 未来を語れ。……それがお前達の力となる。断言しよう。エール・ローランド・モフス。お前は強くなるだろう。……私からのお墨付き、とあれば気合も少しは入るだろうか?」
言葉のひとつひとつが心にまで入ってくる。
多少雰囲気や、英雄の気の傍にいたからか、致命的になった傷、精神的な傷を誤魔化せてはいたが、それでも 消える筈はない。どうしても思い出してしまう。
そんな傷を縫う様に、塞ぐ様に、治す様にゾロの言葉が心に入ってきた。
これは、自分も知らない魔法の様だった。少しどころじゃない程の気力がわいてきた。
「お、……う、うぉぉぉぉぉぉぉ!! す、すっげーーー!! 英雄に、世界の超英雄にそう言われちゃってるよーー!!」
だけど何故か、エールではなく、長田君が歓声を上げたのだった。
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