暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜 IF
第14話 英雄といっしょ
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
んですか? ……日光、さん。痛そうです」
「……優しいですね。貴方は。……ですが、お気になさらずに。私は大丈夫です」

 軽くいなそうとする日光。
 あまり聞かないでくれ、とも言っている様にも思えたエールは、それ以上の追及を止めた。

「だがな、日光。直らないままなのは嫌だぞ」
「………追々に」

 日光は頑なだった。


 そして、アームズは日光の事は一先ず置いといて、改めてエールを見た。

「日光はまだ教えてくれない様だが、刀も直る。折れても折れても、直る。それは人も同様だ。……エール。お前はまだまだ弱い。なら、鍛えれば良い。弱いなら強く、強くなれば良いではないか。幸い、お前に流れる血も英雄の1人だ。才能は紛れもなく世界トップクラス、豊富にあるだろう」
「…………はい。ボクも強くなりたいです」
「ああ、そうだな。強くなれば良い。仲間を集め、もう一度魔王に挑んでみると良い。……その時はきっと少し楽しいぞ。今日よりは間違いなく、な」
「……ふふ」

 アームズの言葉に、ゾロも笑みを浮かべた。

「前を向き、そして 未来を語れ。……それがお前達の力となる。断言しよう。エール・ローランド・モフス。お前は強くなるだろう。……私からのお墨付き、とあれば気合も少しは入るだろうか?」

 言葉のひとつひとつが心にまで入ってくる。
 多少雰囲気や、英雄の気の傍にいたからか、致命的になった傷、精神的な傷を誤魔化せてはいたが、それでも 消える筈はない。どうしても思い出してしまう。

 そんな傷を縫う様に、塞ぐ様に、治す様にゾロの言葉が心に入ってきた。
 これは、自分も知らない魔法の様だった。少しどころじゃない程の気力がわいてきた。
 

「お、……う、うぉぉぉぉぉぉぉ!! す、すっげーーー!! 英雄に、世界の超英雄にそう言われちゃってるよーー!!」


 だけど何故か、エールではなく、長田君が歓声を上げたのだった。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ