第14話 英雄といっしょ
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って、ひかないでーー、冗談だからーー! オレだって女が好きだから!!」
長田君をからかって遊んでいるのがよく判る。ゾロは エールの傍にまで行くと、くしゃ、と軽く頭を撫でた。
「っ……え……?」
「どうやら、立ち直れたらしいな。……魔の王を前に、戦意を失ったと思っていたのだが、私は少々見縊っていたよ。流石は法王と、あの男の息子だ」
エールは突然頭を撫でられた事に驚いたが、それ以上に心配をしてくれた事が何か嬉しかった。嬉しいだけじゃない。温かく感じた。この乗せられた手に。そう――母に撫でられた時の様な、温かい気持ちになれたんだ。何故だかは判らないが。
「……ちょっと待て。ゾロ」
「ん? どうしたアームズ」
「あの男の息子―――と言ったのか?」
「ああ。言ったな」
「そのあの男、……ユーリの事を、知っているのか? 以前は 知らないと言っていたじゃないか」
視線が鋭くなるアームズ。鋭くさせる理由は長田君やエール、そして ロッキーには判らなかった。
「……私とて調べもする。あれだけの追及があったのだ。当然だろう?」
「む……、それもそうか。すまなかったな。また変に疑ってしまった」
「――問題はない。以前の事を考えれば当然だ」
アームズは視線を戻し、睨む様に見ていた事、疑っていたことを謝罪した。
「えーっと、どういう意味かは判んないけど……。あっ! そーだそーだ。今後の事考える方が結構先決な気がすると思うけど、エールはどうだ?」
「……うん。そうだね。少し忘れそうになってたけど、やっぱり そう簡単には忘れられないよ」
「……だよな。あそこまで強かったんだから。魔王は別格……だったし」
長田君の言葉で、エールは思い出してしまった様だ。あの絶対的な恐怖を。死への予感を。
だが、この時長田君は1つの事に気付く。
「っつーかさ! ゾロさん、あそこまで強かったら、魔王なんてけちょんけちょんに……」
そう、魔人を一蹴したゾロの姿を見た。圧倒的なオーラも感じている。伝説的な逸話も聞いている。そんな人物であれば、魔王を――と思ったのだが、そんな簡単な話ではない。
「ふむ。期待させてしまって悪いが、私が終わらせれるのであれば、とうの昔に終わらせている。……魔王の名が暦に刻まれる今のRA期が終わっていないのが何よりの証拠だろう」
「う゛……、た、確かにそうなんですよねー」
「そうだす。……ゾロ様は人類の矛に、盾になってくださって、沢山お世話になってますだが……。うぅ……おらにももっともっと力があれば……」
「恥じる事は無い。生還しただけでも驚嘆に値するのだ。……それに、ロッキーがいたからこそ、守れた命もあるだろう。自分を否定すればそれらをも否定する事
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