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ランス 〜another story〜 IF
第14話 英雄といっしょ
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魔王のお情けと英雄の力に預かろうではないか。……さぁ、下山しよう」

 アームズの号令で、下山を開始。ゾロもついてきてくれた。これがどれだけの偉業か、それを判るのはアームズだけだろう。
 
 あの時幾度となく捕まえようとした者達を知っているから。
 共にいられない理由も知っている為、強くは出れなくなったが、それでも。

「(活動時間とやらが延びたと言った所か……?)」

 アームズは、考えても判らないが、とりあえず そう結論を付けていたのだった。






 そして、全世界が憧れる英雄を前にして、なかなか会話が続かない状況が続く。それは当然だ。さっきは勢いもあって話せていたが、今頃になって緊張してきた様だ。

 それでも意を決する様に声を上げたのは ムードメーカーな所もある長田君からだった。


「い、いやぁ、それにしても やっぱり半端ないよなー。英雄のオーラって言うの? 魔人と会った時の圧迫感とか、もう忘れちゃったよ」
「ほほぅ。ならば、私と出会った時の衝撃とやらも忘れてしまった、と受け取って良いのだな?」
「あ、アームズさんっ!? い、いやいや、そんな事ないですって、アームズさんも十分過ぎる程の伝説になってんですから」

 アームズのジト目に長田君は弁解をしていたが、アームズは笑った。

「はっはっは。言ってみただけだ。私とゾロでは、英雄のレベルが違う。1と100くらい、いや、もっとかな」

 自虐的、ではなくそれは正真正銘の事実だ。相手の力量を読み取る事も強さの1つ、とよく聞く。アームズは魔人戦争を経て、RA期に入り 魔王ランスとの激闘を2度経験。経験は積んできて、強くなったと自覚はしていた。それに加えて、数多のバランスブレイカー……レアアイテムを装備して 更にブースト。歴代の英雄と呼ばれた男達にも引けを取らないレベルへと昇華出来た筈だとも思えた。
 
 なのに、横を歩く男。――――底が、まるで見えないのだから。

 そんなゾロだが、軽く首を振った。

「謙遜をするな。アームズ。……英雄と言う名、その称号は、人が語り継ぐものだ。お前達の奮戦で、戦いで、幾つの命が救えた? 救われた者たちからすれば、お前は、お前達は紛れもなく英雄だ。それに差などない。命に差などは無い」
「………ふふっ。流石は、ゾロ。言葉の一つ一つの重みも違う」

 貫禄、とでも言うのだろうか。それを訊いてやはりまだまだ辿りつけない高みに、この男はいる、と実感したアームズだった。

「ひょええ……、な、なぁ エール。オレもすっげぇゾクゾクしたよ。いやぁ、男に惚れるのってこういうんだろうな!」
「……長田君、そう言う趣味あったんだね?」
「いやいやいや、判るだろ!? 憧れとかそーいうのだよ! ひ、ひくな
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