第14話 英雄といっしょ
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えええええ!!!! あ、あの超英雄のっ!? ってか、もう御伽噺にもなってるヤツじゃん! 有名って言葉だけじゃ片付けられないじゃん! え、えええええええ!!」
ぴょんぴょん跳ねまわる長田君の頭に、エールはとりあえず蜜柑を置いた。
「ええええ!? なんでそこでオレの頭に……って、おりゃ、あ、あぶねっっ」
長田君は必死に蜜柑を退けようとするが、どうしても手が届かないから悪戦苦闘してしまう。
「落ち着いて身体を傾け、すべり落とせば良いだろう。頭を下げ、落ちてきた所を受け止めろ」
「あ、そっか……味噌汁と違って零れたりしないし、よっと――。へへ、取れた! って、エールっ、お前ってやつはこういう時くらい真面目な応答しろよー」
長田君は、ぺしぺし、とエールをはたいた。
そんな2人を見て、ゾロはクスリ……と笑う。
「随分と愉快な者達だな。……成る程、魔の王が住む翔竜山へと少数で挑む命知らずな連中……とは こういうものか。こういう気概を持つ者達と言う事か」
面白い、と笑うゾロを見て、アームズは目を白黒させた。
「……なんだかお前、変わったか?」
「ん? そうか?」
「あ、ああ。以前の……と言っても、もう6年程になるが あの時のお前とはまるで別人に思えるぞ。……何と言うか、人間味が増した、と言った感じか」
「ほう。……それは嬉しい事を訊いた。私も人に近づけているのであれば、嬉しい事この上ない」
アームズの言葉に本当に嬉しそうにハニカム ゾロを見て 偽物? と一瞬思ってしまったが、あんなにあっさりと魔人DDを叩き落した。そんな実力を持つ男が現世界に2人もいてたまるか、と考えを一蹴した。それに何よりも ゾロについては少しではあるが、あの時に聞いている。神の啓示を訊いた者だと。だから人間離れしていると。人間に近づけているのが好ましい、と思うゾロの気持ちは、アームズにも何処か判る気がした。
「あ、あの―――」
アームズが考えている時に、声をかけるのはエールだ。
目の前にいる助けてくれた人は、どうやら本当にマスク・ド・ゾロは本物なのだとエールも理解できた。外の世界の事を そこまで詳しく知らないエールでも 何度も聞いた名。
魔王ランス、英雄ユーリ、それらに次ぐ……いや、それより遥かに有名。
エールは、ゾロの前にまで移動した。
今、言いたい事はただ1つ。
「……仮面はかぶってないんですか?」
一瞬ではあるが、変な沈黙。間があった。
「ええっ!? 今聞くとこ、そこっ!? 普通 助けてくれてありがとう、とかじゃねーのっ!? い。いや確かに、オレも気になったけれどもよ!? ゾロってマスクと帽子だし?
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